小売自由化の影響は?小売り主軸の財閥企業の今後
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次に小売関連ビジネスを主軸とする10大財閥企業の一角LTG Group, Inc. (LTG)の現状について見てみます。
2021年の純利益は204億5000万ペソとなり、2020年の純利益210億2000万ペソを3.7%下回りました。Philippiones National Bank(PNB)、不動産ディベロッパーのEton Properties、(ETON)、飲料事業のAsia Brewery Inc.(ABI)の3社の貢献度が低いことが減益の要因です。ETONの純利益は5億5000万ペソで、2020年の8億200万ペソから31%減少しました。ETONの純利益の減少は、住宅販売戸数の減少および賃貸収入の減少が原因です。
ABIの飲料事業の純利益は4億7500万ペソで、2020年の純利益5億9100万ペソから20%減少しました。ABIは、AbsoluteやSummitのミネラルウォーターや輸入ビールなどを扱っていますが、2020年3月以降のロクダウンの影響を受け、販売数量が減少しました。
一方、Tanduay Distillers, Inc. (TDI)の2021年の純利益は、バイオエタノールの販売増により、2020年の純利益11億2000万ペソを11%上回る12億4000万ペソを計上しました。
タバコ事業はLTGにとって最高の収益貢献をし、総利益の86%を占める174億3000万ペソと、2020年の168億9000万ペソより4%高い収益を記録しました。
バリュエーションの観点で見ると、2021年のLTGのPBRは0.54倍、PEレシオは6.02倍で、最も近い同業他社である同じく10大財閥の一角アライアンス・グローバル・インク(AGI)のPBR0.61倍、PER8.32倍と比較して低くなっています。LTGは過去6年間、低PBR、低PERを維持しており、株価は過小評価されている可能性があります。
2021年の業績から、消費税増税にもかかわらず、同社のたばこ事業は引き続き好調に推移すると予想され、さらに、飲料事業Iや不動産事業も景気回復の恩恵を受けると思われます。
LTGは、1937年にマニラワインマーチャンツ社として設立されたのが始まりです。 その後、1995年に持株会社への移行に伴い、社名をアジアンパシフィックエクイティコーポレーションに変更し、1999年にはタンドゥアイ・ホールディングス株式会社に改称しました。2012年から2013年にかけて、フィリピンの大富豪の一人ルシオC・タン氏とその家族が所有する飲料、タバコ、不動産開発、銀行事業と統合・事業再編をし、LTGとなりました。
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