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本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』から転載したものです。※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

「こんなに利上げして大丈夫か?」と感じる理由

「こんなに利上げして、米国の景気や株式市場は大丈夫なのか」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。

 

そう感じる理由としては、[図表8]に示すとおり、「時を経て、利上げの打ち止め水準は低くなり、利上げのペースも鈍化してきた」ことが挙げられるでしょう。

 

たとえば、①前回、2015年12月からの利上げ局面では「2回に1回」のペースでの利上げでしたし、➁「毎会合の利上げ」になると、2004年6月から2006年6月までの利上げにさかのぼります。

 

[図表8]米国の政策金利
[図表8]米国の政策金利

 

言い換えれば、今回の利上げの回数やペースを不安に感じる理由は、「1980年代以降のディスインフレの局面やリーマンショック以降の低体温経済が今後も続いていくだろう」との前提に立ってものごとを考えているためでしょう。

 

「最近の過去がずっと続く」との思考は、レイ・ダリオが「人間が犯す最も典型的な過ち」と指摘するもので、我々も注意する必要があります。

 

もし、新冷戦やSDGs、貨幣の巨額発行などで時代が変わりつつあるなら、我々は「我々が経験している時代よりも前に何があったのか」を学ぶ必要があります。

 

パンデミックや戦争のように、「自分の人生では初めてでも、歴史上は何度も起きていることから学ぶことが重要」というのが、ダリオの考えの根幹です。

 

歴史上は何度も起きているけれども、我々には初めて起きたことに対し、我々が歴史から学ばないからこそ、我々は毎回同じ(誤った)反応を起こし、歴史は韻を踏んでいくのでしょう。

 

上述のとおり、今回の引き締めも「供給ショックに果敢に対応できない」という意味で過去の繰り返しであり、新冷戦やSDGsと合わせて「時代が変わる≒ディスインフレ時代が終わり、インフレ時代が到来する」ことを示唆するものになりそうです。

 

 

重見 吉徳

フィデリティ投信株式会社

マクロストラテジスト

 

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