GDPの拡大が期待できる国の株式に投資することは、中長期視点で有利だといえますが、なかでも成長著しいフィリピンの株式市場は、世界でも注目されているマーケットのひとつです。フィリピン株式投資、その魅力を一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター、家村均氏が解説します。

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フィリピン株投資のメリットとリスク

 

フィリピン株式投資の一番大きな魅力は、超長期の経済成長を取り込んでいく点にあります。GDP、人口ボーナス、BPO、OFW、インフラ整備など、様々な面でフィリピン株に好影響をあたえています。ほかにも市場の特徴から投資メリットを感じることも多々あります。

 

◆上場銘柄数が少ない 

それ以外にもテクニカルな点を挙げると、銘柄数が270銘柄、株価総合指数も30銘柄と少なく、非常にシンプルに銘柄を選ぶことができます。

 

◆個別銘柄の単価が安い

個別銘柄の単価が非常に安く、多くの銘柄がひと銘柄あたり1万円以下で購入できることが多く、安い金額で様々な銘柄を購入することができます。

 

◆財閥に注目

東南アジアでは、力を持つ財閥がある国が多く、フィリピンも例外ではありません。その財閥の銘柄の含み益が大きいのではないか、と考えられています。

 

◆為替リスクが低い

フィリピンペソは為替が非常に安定しており、新興国通貨のなかで最も安定している通貨とも評されており、為替リスクが低いことは海外での投資において、とても魅力的だといえます。

 

◆市場参加者が少ない

フィリピンの株式市場は、歴史はある一方で市場参加者が未だ少なく、今後底上げ効果が見込まれます。そのため、市場参加者が少ない今のうちから始めておくと、メリットが大きいのではないかと予想されます。またIPO株が購入しやすく当たりやすいことも魅力的です。

メリットがある一方で、当然投資ですからリスクもあります。

 

◆Fluctuation(変動幅)が大きい

市場参加者が少ないため、市場規模がまだ約30兆円と、日本の20分の1程度と小さく、非常に振れ幅が大きい、ということはリスクの一つです。

 

◆コロナの影響

フィリピン経済はコロナによる影響を強く受けており、株価にも影響が出ています。しかし、今後経済が回復してくることが予想されるため、逆に狙い目だとも考えられます。

 

◆財閥株が不透明

フィリピンの財閥は、含み益が多いと見込まれる一方で、実際に流れとしては見えづらい、というリスクがあります。

 

◆流動性が低い小型株

流動性が低い小型株があるため、銘柄選びの際には、流動性が低いものは避けたほうがよいでしょう。

 

◆IPOの数が少ない

IPOは当たりやすい一方で、これから数が増えてくると予想されるものの、年間で10社程度と数が少ないのが現状です。財閥の含み益として持っている財閥のグループ内企業も今後スピンアウトIPOで顕在化することが予想されています。

 

◆信用取引がまだない

空売りや信用取引は、現段階ではフィリピンの株式市場では導入されていません。

 

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