(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査で申告漏れが発覚した業種として、令和3年に国税庁が発表したデータでプログラマーが1位にランクインしたことをご存じでしょうか。前年のランク外からトップに躍り出た業種となったプログラマーは、どのような点が申告漏れとして指摘されることとなったのでしょう。ここでは税務調査を専門とする税理士法人松本が、国税庁が発表している令和2事務年度のデータより、申告漏れの原因やプログラマーがランクインした理由、申告漏れの指摘を受けやすい事由などについてわかりやすく解説します。

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令和2年度「税務調査」の状況は?

■令和2年度の「申告漏れの多い業種」、第1位はプログラマー

国税庁では、税務調査を行った件数や申告漏れの多かった業種などについて「所得税及び消費税調査等の状況」として、毎年統計を発表しています。令和2年度のデータについては令和3年11月に発表されており、2022年2月現在最新のデータとなっています。

 

令和2年度はコロナ禍であったこともあり、全体的な調査件数は例年よりも少なくなっていましたが、高額な申告漏れや悪質な所得隠しが疑われる事業者への調査は強化傾向にあったようで、所得税の実地調査で申告漏れが発覚した額は前年比より53%もアップしていました。

 

こうした状況もあり、例年ではランク外であった業種からも多くの申告漏れが発覚したようです。

 

■例年上位だった「風俗業」はランク外

プログラマーのように、ランク外からランクインした業種もあれば、例年トップクラスの申告漏れを記録していた業種であるにも関わらず、令和2年度にはランク外となった業種もあり、風俗業がそれにあたります。

 

風俗業に従事する個人事業主は1年間で急速に適正な申告が浸透したとは考えにくく、コロナの影響によって利益が大幅に落ち込んだ結果、ランクインするほど多額の申告漏れが発生した件数が減少したと予想されます。

 

■なぜプログラマーが「申告漏れ業種」第1位に?

令和2年度のプログラマーが申告漏れ業種で1位になった理由としては、暗号資産の販売ソフトなどの開発に携わったプログラマーが、ソフト販売に関わる利益について、2億円もの所得漏れがあったといったニュースもあり、こうした高額の申告漏れが影響していると予想されます。

 

それ以外にも、プログラマーは在宅勤務も多く、コロナ禍の影響を受けにくかった点なども挙げられるでしょう。

 

なお、令和2年の申告漏れ業種2位は牛肉の畜産業、3位は内科医、4位にキャバクラと続いています【図表】。

 

出所:国税庁「令和2事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2021/shotoku_shohi/index.htm)
【図表】事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得⾦額が⾼額な上位10業種 出所:国税庁「令和2事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2021/shotoku_shohi/index.htm)

 

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※本記事は、税理士法人松本のブログより転載したものです。

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