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30代で地方転職を考える人が増えている
Uターンというと、以前は定年退職した人が出身地に帰って老後をのんびり暮らす隠居生活のようなイメージが強くありました。しかし最近は若い世代でUターンを検討する人が増えており、特に30代でその割合が高くなっています。
地方移住をしたい人への情報提供や相談を行っているNPO法人ふるさと回帰支援センターの利用件数は、2008年~2017年の10年間で約2500件から約3万3000件へと13倍に急増しているのです。
また、2008年には50代以上が7割を占めていましたが、2017年には40代以下が7割を占めるまでになっています。なかでも30代の利用率の伸びが顕著です(「2017年の移住相談の傾向、ならびに移住希望地域ランキング」NPO法人ふるさと回帰支援センターニュースリリースより)。
50代以上の地方移住は大半が退職後のセカンドライフを想定しているものと考えられますが、40代以下では転居先でも働くことが前提となります。このデータだけでは地方移住希望者のうちUターンがどれくらいの比率かまでは分かりませんが、いずれにしても若い世代で都会を離れて地方へ転職したい人が増えていると見て間違いありません。
■30代は人生設計を考えるライフイベントが目白押し
私はUターン転職希望者の支援事業をしていますが、クライアントの転職動機や転職理由をヒアリングしていくと、ほとんどの人がライフステージの変化をきっかけに転職を考え始めたと答えます。
30代は結婚や子どもの誕生、マイホームの購入、子どもの小学校入学などのライフイベントを次々に迎える時期に当たります。特に大きいのが子どもの誕生です。子どもが生まれることで6年後には小学校入学、12年後には中学校入学というように、時間軸をはっきりと意識するようになるからです。