ビジネスパーソンにとって強力な武器となるのが「質問力」です。適切な質問を投げかけ、必要な回答をもらうのはもちろん、そこからコミュニケーションを発展させ、人間関係を深めることもできます。しかし、「質問が苦手」「何を質問したらいいのかわからない」といった声は少なくありません。「質問する力」を磨く・鍛えるには、一体どうしたらいいのでしょうか。

自分の好きなことについて、優しく自問してみよう

質問することを思いつかない人は、「なぜ?」と問うこと自体に喜びを感じていない可能性が高いのです。

 

このような傾向にある人が、質問上手になるためのお勧めの方法があります。

 

自分の好きなことだけについて、優しく自問していく。

 

仮にコーヒーが好きだとします。その場合は「私はなぜコーヒーが好きなのかな?」といった簡単な質問からスタートし、コーヒーにまつわる質問を少しずつ増やしていきます。

 

「いつ飲むのが好きなのかな?」

「どこのお店で飲むコーヒーが一番好きなのかな?」

「誰と飲むコーヒーが一番好きなのかな?」

「私はいつからコーヒーが好きなのかな?」

 

このように、好きなことのみに対して自問していくと、喜びの感情につながる答えが出やすいはずです。

 

「好きなことについて自問する」を繰り返すと、質問に対するネガティブなイメージが払拭されていき、質問することに対する心理的抵抗が減っていきます。

 

次に、「質問は思い浮かんでいる。しかし、実際に聞くことに躊躇してしまう」というケースについてお答えします。

 

このような人は、質問することによって「相手からどう思われるのか?」と不安を感じています。さらに言えば、「変に思われる」とか「バカだと思われる」と思い込んでいて、質問することに躊躇してしまうことが多いようです。

 

しかし、よく考えてみるとこれは本末転倒の考え方です。

 

「知らない」ことを「知る」から賢くなるのであって、「知らない」ことを「知らないまま」にしていては、知恵が手に入りません。

 

つまり、いつまで経っても賢くなれないのです。

 

本当に賢い人は、知らないことを当然のことだと捉えています。そして「知りたい」という欲求に素直に従って生きています。なおかつその素直さが魅力となり、人を惹きつけているのです。

 

少しだけ勇気を出して質問してみてください。きっと、対話している相手と深いつながりを感じられます。

 

質問する力は、自分自身を深く理解するために、そして、他者とのつながりを構築するために大切な力です。

 

とくにビジネスにおいては、この質問力がそのまま成果に直結します。仲間や顧客を理解し、喜びを分かち合うためにも、一生磨き続けたいものです。

 

 

田口 淳之介

 

 

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※本連載は、田口 淳之介氏の著書『リーダーのための対話の方程式』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

リーダーのための対話の方程式

リーダーのための対話の方程式

田口 淳之介

自由国民社

対話が変われば、人間関係が変わる。 営業も人事も人材育成もチームマネジメントもパートナーシップも、すべては「対話」が創り上げている。 毎月20社以上、全国の企業で「対話の仕方」を教える著者が、延べ2万人と対話して…

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