今回は、不動産売買におけるコストの問題について見ていきます。※本連載は、株式会社アセットビルドの代表取締役・猪俣淳氏の著書、『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』(住宅新報社)の中から一部を抜粋し、不動産投資で「自分に合ったスタイル」を導き出し、成功するためのノウハウをご紹介します。

地域や構造などによって諸費用は大きく差が開く

前回に引き続き、不動産投資のデメリットを見ていきます。

 

(3)短期の売買を繰り返すには費用コストが高い

 

不動産の売買を行うときには、購入時、売却時ともにさまざまな費用が発生します。

 

購入時には、

 

①仲介手数料および消費税(新築などで売主から直接購入する場合は不要)

②登録免許税(所有権移転・抵当権設定、新築であれば建物表示・所有権保

存)

③司法書士手数料

④印紙税(売買契約書・金銭消費貸借契約書等)

⑤金融機関の手数料や場合によっては保証料

⑥不動産取得税

⑦火災保険料 等

 

諸費用は物件価格の7〜8%くらいというのが、首都圏においては一般的と思われますが、これは「地域」や「構造」、あるいは借入れの有無や金額といった購入者の条件によっても大きな差が出ます。建物の登録免許税や取得税といった税金は、建物の評価によって決定しますので、仮に、(地方などで)物件価格が半分になったとしても建物の登記費用は変わりませんし、銀行の費用も同様です。

 

ということは、物件価格に対する諸費用をパーセンテージでみるとかなりの割合になるということです。例えば、売買価格100万円の区分マンションを買うと、登記費用・税金・手数料関係で50万円かかるということはよくありますが、この場合は、購入経費の割合が売買価格の50%ということになります。

短期売買では譲渡利益に対する税率が高くなる

また、建物の構造・面積・用途・築年数などの条件によって税額控除が受けられたり受けられなかったりということもあります。

 

売却時は、購入時よりも経費負担は軽くなります。

 

①仲介手数料および消費税

②契約印紙税(売買)

③抵当権抹消登記

④銀行繰上返済手数料

⑤場合によっては固定期間中の一括繰上返済ペナルティ等
 

売却価格の4%前後という場合が多いと思います(⑤は除く)。逆に、購入時に長期間一括加入した火災保険料や保証料などについては、期間割で多少戻ってくることもあります。

 

仮に、購入時8%、売却時4%のコストがかかるとすれば、売り買い両方で12%の経費がかかるということです。購入して1年後に1割増しの価格で売却しても、利益がコストで全部食われてしまいますね(元金の減少による手取りキャッシュについてはここでは無視します)。3年保有なら4%、6年保有なら2%、12年保有なら1%に、1年当たりのコストとしては薄まりますが、いずれにしても短期で売買を繰り返すには無視できない金額だということです。

 

ミニバブルなどで短期間に値上がりしたときに喜び勇んで売却したものの、「手取りの現金を計算すると思ったほど儲からなかった」という方は少なくありません。これは売買に伴うコスト負担が大きいことと、短期譲渡(売却した年の1月1日現在で保有期間5年未満)になることから譲渡利益に対する税率が39%と比較的高くなるのが理由です。

本連載は、2016年3月31日刊行の書籍『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

誰も書かなかった不動産投資の 出口戦略・組合せ戦略

誰も書かなかった不動産投資の 出口戦略・組合せ戦略

猪俣 淳

住宅新報社

本書は、不動産投資において想定される“あらゆるスタイルの投資家”が、ご自身の投資を定量化し、方向性を検討したり、強みと弱みを把握したり、最適化を図る…といった視点で使える「ツール」としての機能を重視して、ほぼ全…

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