今回は、宅建業法等の規制に注意したい不動産の分割売買について見ていきます。※本連載は、株式会社アセットビルドの代表取締役・猪俣淳氏の著書、『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』(住宅新報社)の中から一部を抜粋し、不動産投資で「自分に合ったスタイル」を導き出し、成功するためのノウハウをご紹介します。

免許業者以外による不特定多数への不動産販売は違法

前回に引き続き、不動産投資のデメリットを見ていきます。

 

(5)細かい分割がしにくい

 

金融商品と違って、不動産は2つの理由から、敷地や建物の一部を売却したりすることが難しいという特徴があります(不可能ではありませんが)。

 

①法律的な問題

敷地を分割して売却する場合、宅地建物取引業法による許可を得た免許業者以外は不特定多数の相手に反復して不動産を販売してはいけないということに法律上なっていますので、一般の方がこれをやると法によって処罰を受けます。

 

物件を残したまま、敷地の一部を分筆して売却といったケースは認められることもありますが、あくまでもグレーな扱いです。逆に言えば、宅建業者としての免許を取得すれば、業として通常区画が大きく単価の安い土地を購入して、分割転売などで利益を出すこともできます。

無理に敷地を分割すれば建物が違反建築になる可能性も

②物理的な問題

敷地の一部を切り売りすることによって、既存の建物が違反建築になってしまったりする場合があります。これは、購入者のローン付けに問題がでたり、建て替えるときに予定が狂うなど、あとになって苦労しますので要注意です。留意すべき点は、

 

⑴敷地面積の最低限度を定めた規制

⑵建物の種類・規模ごとに定められた接道間口の確保

⑶建物を建築する場合の境界線からの離れや避難通路の確保

⑷排水や給水経路の確保

 

などで、いざ、検討するとなかなか難しい場合が多いです。

 

また、建物を切り離したりするのは構造的な問題もありさらに困難です。「細かい分割が容易」であるという意味では、ひとつのまとまった物件をどうするかというよりも、複数の物件を所有して考えていくというほうに軍配が上がります。

本連載は、2016年3月31日刊行の書籍『誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

誰も書かなかった不動産投資の 出口戦略・組合せ戦略

誰も書かなかった不動産投資の 出口戦略・組合せ戦略

猪俣 淳

住宅新報社

本書は、不動産投資において想定される“あらゆるスタイルの投資家”が、ご自身の投資を定量化し、方向性を検討したり、強みと弱みを把握したり、最適化を図る…といった視点で使える「ツール」としての機能を重視して、ほぼ全…

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