(※画像はイメージです/PIXTA)

日本の法人の99%は中小企業といわれるなか、その多くが赤字だといいます。そんな中小企業の存在が「日本の低成長の原因である」という声も多く聞かれます。みていきましょう。

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赤字の企業のほとんどが「中小企業」という事実

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日本を支えているといわれる中小企業。その定義はさまざまですが、法律上は以下のようになっています。

 

◆製造業

資本金3億円以下、または従業員300人以下

※さらに従業員20人以下は小規模企業者に分類

 

◆卸売業

資本金1億円以下、または従業員100人以下

※さらに従業員5人以下は小規模企業者に分類

 

◆サービス業

資本金5,000万円以下、または従業員100人以下

※さらに従業員5人以下は小規模企業者に分類

 

◆小売業

資本金5,000万円以下、または従業員50人以下

※さらに従業員5人以下は小規模企業者に分類

 

この分類に基づくと、日本の企業のうち、大企業は0.3%、中規模企業は14.8%、小規模事業者は84.9%。よく中小企業は日本の企業の99%強といわれていますが、その多くが中小企業のなかでも規模の小さい小規模事業者です。

 

さらに従業員数についてみていくと、日本企業のうち、大企業は31.2%、中規模企業は46.5%、小規模事業者は22.3%。さらに付加価値額をみていくと、日本企業のうち、大企業は47.1%、中規模企業は38.9%、小規模事業者は14.0%。

 

数こそ、中小企業が圧倒的ではありますが、経済を支えているといった部分では少々、言い過ぎだといえるでしょう。

 

また国税庁の『会社標本調査』によると、日本企業の60%強が赤字企業。その数は減少傾向にあるといわれていますが、それでも企業の6割が赤字というのは驚きです。そして企業数からして、そのほとんどが中小企業だということも想像できるでしょう。

 

もちろん実際に厳しい経営環境に晒されている中小企業も多いですが、一方で「あえて赤字」にしている企業も多いといいます。「税金なんて払いたくない」という経営者は多く、役員報酬を増額したり、即時償却可能な設備投資を行ったりなど、なんとか利益を抑えて赤字にしているのが中小企業の実態です。

 

赤字であれば法人税を払わなくてもいいわけですから、経営的には万々歳でしょう。しかし、その分、税収は下がり、結局は私たちに返ってきます。日本の低成長が問題視されていますが、「赤字をよし」とする中小企業経営者の姿勢が一因だといえるのです。

 

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