2022年3月5日より開幕する中国全人代。ここで知っておきたい中国経済について、香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏が「不動産市況」「新型コロナの影響」「環境政策」「金融政策」「米中対立」、あらゆる面から解説していきます。
中国の株式市場動向
中国の不動産業者に対する冷ややかな態度と、ゼロコロナ政策。そしてアメリカからの中国企業に対する圧力により、2021年のパフォーマンスはよくはありませんでした。
ただ業績が“すごく悪く”なったかと言うとそうではなく、中国株式市場のダウンサイドは一定のところで踏みとどまると見ています([図表7])。
西側諸国とロシアが対立し中国が第三国の位置付けになると、人民元がflight-to-safetyになるという話もあります。株価が下支えされる可能性もあるので、アメリカの市場の動きからはむしろデカップリングしていくような動きも考えられます。
以上、中国市場について解説してきました。全人代でどんなことが決まっていくかについては、今後解説したいと思います。
重要なポイントとしては習近平政権が3期目に入るかどうか。入るとは思われますが、その後どのような政策を打ち出していくのか。ぜひ注目してみて下さい。
■動画でも解説「【中国経済アップデート】全人代開幕の中国、“減速感”が強まるか」
長谷川 建一
国際金融ストラテジスト <在香港>
Wells Global Asset Management Limited, CEO最高経営責任者
国際金融ストラテジスト <在香港>
京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)
シティバンク東京支店及びニューヨーク本店にて、資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004年末に東京三菱銀行(現:MUFG 銀行)に移籍し、リテール部門のマーケティング責任者、2009年からはアジアでのウエルスマネージメント事業を率いて2010年には香港で同事業を立ち上げた。その後、独立して、2015年には香港金融管理局からRestricted Bank Licence(限定銀行ライセンス)を取得し、Nippon Wealth Limitedを創業、資産運用を専業とする銀行のトップとして経営を担った。
2021年5月には再び独立し、Wells Global Asset Management Limitedを設立。香港証券先物委員会から証券業務・運用業務のライセンスを取得して、アジアの発展を見据えた富裕層向けサービスを提供している。(香港SFC CE No. BIS009)
世界の投資機会や投資戦略、資産防衛にも精通。個人公式サイトなどを通じて、金融・投資啓蒙にも取り組んでいる。
● 個人公式サイト
「HASEKENHK.com」(https://hasekenhk.com/)
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