(※写真はイメージです/PIXTA)

「不倫」「浮気」「離婚」「セクハラ」……銀座さいとう法律事務所には、今日も有象無象のトラブルが舞い込みます。本連載では、齋藤健博弁護士が実際に寄せられた事例をもとに、男女の法律問題を解説していきます。

離婚調停が行われる直前、実は…「唖然の結末」

正明さんに対し財産分与を求めることはできましたが、財産分与というのは“婚姻中の財産の半分”です。三人の子育てを終えて間もなく、貯蓄の少なかった財産の半分となると、かなり心もとないのが実情です。

 

弁護士としては、この財産分与で本当にこれからちゃんと暮らしていけるだろうか?という気持ちがありました。しかし由美さんとしては、離婚できたこと、重荷から解放されたことへの安堵が勝るということでした。

 

初めての一人暮らしについても、「不安はありますが、今後の新しい生活を考えると楽しみな気持ちが強い」と語ってくれました。今後、由美さんは職を見つけ、テニスクラブに通い、より多くの人々と交友して暮らしていくのかな、と思われました。

 

さて、「不貞行為をした側からの離婚請求」も、無事に認められたわけですが、少々後日談があります。

 

この離婚調停が行われる直前、由美さんの元交際相手で、元・浮気相手である男性に離婚が成立していたのだそうです。離婚成立後、由美さんから知らされました。

 

これ以後の由美さんの生活はわかりませんが、もしかすると二人は、その後一緒になったのかもしれません。そしてそのための離婚調停だった可能性も、なきにしもあらずです。

 

 

齋藤 健博

銀座さいとう法律事務所 弁護士

 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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