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結婚の約束をした“既婚男性”から届いた、衝撃のモノ
お酒の場で知り合った男性と交際していた、東京大学卒の遠藤さん(43歳/女性・仮名)。
交際開始から2年が経った頃、彼から「実は自分は既婚者であったこと」「しかし離婚を考えていて、将来は遠藤さんと婚姻したいと思っていること」を告げられます。その言葉を信じた遠藤さんは「当面は会えなくなるけど、待っていてほしい」と言われたことも了承し、彼の状況が落ち着いて再び会えるようになる日を心待ちにしていました。
ところがある日突然、「代理人弁護士」から通知がやってきます。
その内容は、彼に対する「ストーカー規制法違反」の指摘、そして「接触禁止」というものでした。
「どうして!? いや、婚姻の約束までしていたでしょう!?」と遠藤さんは婚姻予約の証拠を探しますが、スマホに残っているメッセージには「愛している」「一緒になろう」という抽象的なものばかりで、核心に触れているものは一切ありません。
困り果てた遠藤さんは、私の運営する法律事務所の門を叩きました。
確かに「婚姻予約」とは言い難いが…
2人の間にあったやりとりについて、婚姻予約と言い難いのは事実です。
私がこの事案に弁護士として介入したのち、それを知った高圧的な女性弁護士から「こんなものは婚姻予約にならないし、そもそもこんな案件を受けるなんておかしい」などと言われたほどです(この発言に関しては、弁護士としての適格が疑われますが…)。
示談では、相手方はあくまでも慰謝料を支払いしない旨の主張を続けたため、ただちに訴訟提起をおこないました。
裁判にて、まず2人の間にあったやりとりは、法的な保護に値する婚姻予約であるのかどうかが争点になりました。
しかし過去の裁判例では、婚姻予約に焦点を当てるだけでなく「既婚であることを秘匿した交際関係」に着目し、それに対して不法行為が成立するという判断もあります。