贈与税が払えない…延滞制度の適用条件と注意点【税理士が解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

贈与を受けた財産が110万円を超える場合には、贈与税の申告・納付の手続きが必要です。しかし贈与税の最高税率は55%と高く、金銭以外の贈与財産を取得した際には贈与税の一括納付が困難になるケースも。そのような場合のために救済措置が設けられています。みていきましょう。

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「贈与税の延納」は税務署が認めている

贈与税の納税は納期限までに金銭での一括納付が原則であり、期限内に納付が完了しない場合には、本税以外に延滞税を納める必要があります。それに対し延納制度は、税務署が承認すれば納期限までに一括納付する必要はなく、延滞税の代わりに利子税を納めることになります。

延滞税は納期限までに税金を納めなかった場合に発生する利息

税金の分割納付は、事前承認を受けた延納制度以外では原則認められていません。納期限を過ぎて税金を納付した場合には延滞税が発生し、納期限から実際に納めた日までの期間に対して延滞税がかかります。

 

延滞税の税率は、納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については2.6%です。ただし、納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については、延滞税の税率が8.9%に上昇します。(ともに令和元年の延滞税の税率)

 

納税は自主的に行わなければならず、未納状態でいると税務署の徴収部門が即時納付を求めて自宅に訪れたり、財産の差し押さえをして納税を促すこともありますのでご注意ください。

贈与税の延納制度を利用した場合には本税以外に利子税を支払う

贈与税の延納制度を利用した場合、延滞税の代わりに利息として利子税を支払うことになります。利子税の税率は毎年変動し、分割納付する時期によって納める利子税の税率は変わります。利子税の税率は原則6.6%ですが、令和元年の税率は1.6%です。

利子税は延滞税よりも税率が低めに設定されている

利子税の税率は延滞税の税率に比べて低いため、延納制度を利用して分割納付した方が税負担は少ないです。

 

また、延滞税は納期限から2ヵ月を超えると税率が上がりますが、利子税は納期限からの期間で税率が上がることはありません。そのため、贈与税を分割して納める場合には、延納制度を利用しての納付を検討すべきです。

「贈与税の延納制度」適用要件、3つ

贈与税の延納制度は、贈与を受けた翌年3月15日までに「贈与税の延納申請書」を提出することが必須です。

 

また、延納制度は税務署の承認がないと利用できないため、誰でも使用できる納付制度ではありません。

延納制度は3つの要件をすべて満たさないと利用できない

贈与税の延納制度は、納税額・納付困難な理由・担保提供の3つの要件にすべて該当する必要があります。納税額は10万円を超えていることが前提であり、10万円以下の場合には延納制度は利用できません。

 

納付困難な理由とは、納期限までに金銭納付が可能な金額よりも贈与税額が多い場合をいい、その差額金額を限度として分割納付が可能となります。金銭納付が可能な金額とは、納期限時点で保有している預貯金などから生活費や事業経営に必要な運転資金を差し引いた金額をいい、一括納付が可能な金銭を保有している場合には延納制度は利用できません。

 

納税額が100万円を超える場合や、延納期間が3年を超える際には税務署に担保提供をする必要があります。担保提供できる財産は、土地や国債など金銭への換価が容易なものに限定され、係争中の物件や売却困難な財産を担保提供することは認められていません。

延納制度は事前承認制であり納期限後に適用することはできない

贈与税の延納手続きは事前承認制であり、納期限までに「贈与税の延納申請書」及び「担保提供関係書類」を提出しなければ申請は認められません(担保提供が必要ない場合には「担保提供関係書類」の提出は不要)。

 

また、延納制度は許可制であるため、税務署が延納申請書の内容を許可した場合にのみ分割納付が可能となります。そのため、延納申請書が却下された場合には、速やかに贈与税を一括納付しなければなりません。

利子税は分割納付するタイミングで一緒に支払う

延納が許可された場合には、税務署から通知される「延納許可通知書」に記載されている分納期限までに、分納税額と利子税を納めることになります。

 

納付書は分納期限のおおむね1ヵ月前に送付され、その納付書を利用して金融機関または所轄の税務署で納付します。納付が遅れた場合には、分納期限の翌日から納付の日までの期間に対し延滞税が発生しますのでご注意ください。

 

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税理士法人チェスター http://chester-tax.com

著者紹介

連載専門の税理士が解説~すぐに役立つ「相続税対策」実践講座

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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