(※写真はイメージです/PIXTA)

昨今のアウトドアブームを受けて、「事業再構築補助金」などを活用してアウトドア分野に参入する事業者が増えています。しかしブームに乗って他社を模倣しただけの事業では、ブームが落ち着いたとき、事業者は飽和状態となって、淘汰が生じることでしょう。アウトドアレジャーをビジネスとして継続・発展させていくには、どうすればよいのでしょうか? アウトドアビジネス専門の社外CFO・村瀬功氏が、アウトドアレジャー業界の課題と展望について解説します。

■女性ウケするのは「体力を必要としないレジャー」

上述の潜在需要上位10種目を見るに、女性によるアウトドア種目の選択が少ないことが目立ちます。「バーベキュー」や「ピクニック、ハイキング、野外散歩」といった比較的手軽なものはランキングに入っていますが、体力を要する種目はランキングに入っていません。

 

そこで、女性をターゲットにして、体力に自信がなくても大丈夫なレジャーを提案してはどうでしょうか。

 

ファミリーで楽しみやすいレジャーを提供する視点はよいと考えます。子どもの遊びや教育の観点からもアウトドアレジャーは適していると言えます。

 

ファミリーであれば男性が同行するケースも多いと思われ、体力の要る作業は同行する男性にお願いすることで女性の満足度向上を望めないでしょうか。

 

潜在需要上位10種目のうち、女性で「オートキャンプ」がランクインしているのは10代・40代です。ファミリーでキャンプを楽しむスタイルを提案することで10代・40代女性のオートキャンプの潜在需要を満たせるのではないでしょうか。

 

「バーベキュー」や、「ピクニック、ハイキング、野外散歩」は女性の潜在需要が高い、比較的カジュアルなアウトドアです。

 

たとえば、

日中:「ピクニック、ハイキング、野外散歩」

食事:「バーベキュー」

宿泊:「オートキャンプ」

といった組み合わせでアウトドアレジャーを提供することで、女性の潜在需要を満たすことができるかもしれません。

 

上記の観点からは、昨今人気が高まっているグランピングは女性の潜在需要を満たしていると言えます。

 

また、SNS映えする点でも、オシャレで写真映えすることは女性の満足度を向上させるためには重要です。この点でもグランピングはマッチしていると考えられます。

 

■男性向けレジャーは、いかに金銭的なハードルを下げられるかが勝負

上述の潜在需要上位10種目からは、男性のいくつかの世代においては、登山・釣り・スノーボードのランクインが見受けられます。

 

登山・釣り・スノーボードは若年男性層に人気が高いといえます。

 

これらの種目は比較的体力を要するレジャーなので、若年男性層にフィットする面があります。

 

一方で、これらのレジャーは道具を揃えたり利用料金が高かったりなど、お金のかかるイメージがあるのではないでしょうか。また、昨今は都市部の住人の車所有が減っており、都市部から車を持たずに移動することについて壁を感じるかもしれません。

 

特に若年層は可処分所得が比較的低いため、金銭的なハードルをどのように下げてあげられるかを考えるのがよいでしょう。

 

お金の面では、たとえば、スキー・スノーボードでは、「雪マジ!」という、全国約160施設で19歳(年齢はシーズンによって変動あり)は無料で利用できるという企画が行われています。

 

同じくゴルフでは、「ゴルマジ!」という、全国約50施設で21歳~22歳(年齢はシーズンによって変動あり)は無料で利用できるという企画が行われています。

 

お金に不安を抱える若年層に向けて敷居を低くすることで誘客を増やすことができ、また若いうちにこれらのレジャー種目に親しむことにより生涯を通して長く参加してもらいリピートにつなげることができるというメリットもあります。

 

足の面では、車を所有しない方のためには、

●電車プランやバスプラン等の商品を企画する

●施設から送迎を行う

●レンタカープランの提供する

などが考えられるでしょう。

次ページビジネスを継続・発展させていく「有効手段」とは

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