FXの値動きを分析するうえで重要となる「移動平均線」
移動平均線は、短い期間の平均であれば値動きに〝敏感〟な線、言い換えると直近の値動きに近い線で、ローソク足に近いところに描かれます。また、長い期間になれば平均を出す分母が大きくなるので緩やかになります。この移動平均の期間と描かれる線の違いは、FXの値動きを分析するうえで重要です。
移動平均線の数値を理解するために、下記の図表では期間10(黒線)と、より長い期間75(青線)の2本で比較してみます。すると、値動きにより機敏なのが期間10(10SMA)で、期間75と比べるとローソク足に近いところにあります。
[図表]本数を変えると線はどう動く?
一方、期間75(75SMA)はローソク足の動きとは、一見すると直接関係のないような大きな平均になってきています。
移動平均線は、このように期間をいくつで設定するかによって描くラインが違ってきます。
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SMA
SMAは単純移動平均(Simple Moving Average)の略。ここでは10期間の単純平均値のことを指します。
初心者は「期間21」がおススメな理由
この数値をどのように選ぶかで初心者は迷いが生じるので、まず初心者は期間21で設定してみましょう。
なぜ21なのかというと、FX相場では期間21の移動平均線を使う人が多いからです。相場は多数派が動かすので多くの人が使うものを見ていれば、多数派の流れに便乗しやすくなります。
この移動平均線の期間は、値動きを時間の単位で区切る時間軸(上記図表参照)と似ています。チャートを見ると縦軸は価格の上下ですが、横軸は時間です。価格の動きに注目しがちですが、時間の概念を加えると、相場の値動きが理解しやすくなります。
イラスト:伊藤ハムスター