「無自覚のパクリ」を防ぐために…クリエイターが知っておくべき「著作権」の基礎知識 (写真はイメージです/PIXTA)

コンテンツ企画など、クリエイティブな活動をするにあたっては、著作権への理解を避けて通ることはできません。著作権を正しく理解していなければ、意図せず著作権を侵害してしまう可能性があるためです。Authense法律事務所のもとには、さまざまな相談が届きます。今回は、「著作権」について、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の西尾公伸弁護士が解説します。※守秘義務の点から、実際の相談内容から変更している箇所がありま。

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企業「知的財産権を侵害していないか不安…」

【ご相談までの経緯・背景】

当事務所と顧問契約を結んでいたC社は、ソーシャルゲームを新たに開発していました。

サービス内で活用するキャラクターイラストを発注する際、既存の名称や色使いなどの知的財産権侵害にあたらないかなどの不安があり、ご相談にお見えになりました。

さまざまな角度から調査・分析…問題解決までの流れ

サービス開発を進めるにあたって、権利者の知的財産権を侵害していないか、さまざまな角度から調査・分析を行いました。

 

商標登録されているものについてはもちろん、場合によっては特定の色彩の組み合わせが権利として認められているケースもあります。

 

また、商標登録されていない場合でも、不正競争防止法にあたるケースもあるため、注意が必要です。

 

他者が社会に対して拡大した認知を利用し、新たにビジネスを展開することは社会通念上も認められませんので、注意深く調査を進めました。

 

具体的には、商標法、不正競争防止法、著作権法、意匠法といった関連する知的財産法令について調査しました。合わせて、競合サービスについても調べを進め、どこからどこまでが適法で、どこから先は違法なのか、法令の趣旨や監督官庁の解釈も踏まえた上で整理していきます。

 

これらの法律や他社事例、判例などについて、徹底的に分析した上で、C社が独自に注意するべき点をピックアップ。対策についても検討し提案しました。

 

最終的に、当所の提案を検討した結果、無事サービスをローンチ。広くユーザーに認知され、数年後に株式上場を果たしています。

「ローンチ後のトラブル」を解決するのは大変

地名などをモチーフにしたソーシャルサービスのため、ある種の「匂わせ」がなければ意味がないサービスでした。

 

そのため、資金も社会への影響力も乏しいサービスローンチ直後に、権利者の権利を侵害しないラインはどこなのか、明確にした上でサービスを開始する必要がありました。

 

また、サービスが軌道に乗ったあとに、ストップが掛けられないようにする、さらには広く社会全般にスケールを拡大させていくためにもコンプライアンスの遵守徹底は必須です。

 

大きく社会に展開したあとで、根幹部分を修正・方向転換するのは非常に大きな労力と資金が必要となります。ローンチ前の設計段階で、確実・安全な線引まで、詳細を詰めていくことが求められます。

 

とはいえ、デザイン面やサービスの法的な課題について、経営者がすべての安全性を確認・理解するのは難しいでしょう。

 

弁護士が企画段階からコミットして、調査・検討した上で安全なロジックを提案。その提案に対して経営者が最終判断を下すことが大切です。

そもそも「著作権」とは一体何なのか?

ご紹介したC社のケースでは、コンテンツの企画段階でご相談をいただいたため、弁護士がしっかりとサポートさせていただくことで、トラブルになることなく進めることができました。

 

では今回は、知的財産権のなかでも良く耳にする「著作権」について詳しく解説していきたいと思います。

 

【著作権とは?】

著作権とは、著作物を保護するための権利です。

 

【著作権の対象となるもの】

著作権の対象になるのは、著作物です。「著作物」は、著作権法にて「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」とされています。

 

このように、著作権の対象となるものは広範であり、特許権などのようにどこかへ登録されているものだけが対象となるわけではありません。 創作と同時に、著作権の対象となるのです。

 

また、「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」とありますが、小説家の書く小説や美術館に飾られた絵画のような文学性や芸術性の高いものだけが著作権の対象となるわけではない点にも注意が必要です。

 

たとえば、企業のWebサイトの記事や、写真家などではない一般個人がSNSに投稿した写真、子供の描いた絵なども著作権の対象となり得ます。

 

このように、著作権の対象となるものはかなり広いことを知っておきましょう。

 

Authense法律事務所 弁護士

第二東京弁護士会所属。中央大学法学部法律学科卒業、大阪市立大学法科大学院修了。
ベンチャーファイナンスを中心とした企業法務に注力し、当時まだ一般的な手法ではなかった種類株式による大型資金調達に関与。新たなプラットフォーム型ビジネスの立ち上げ段階からの参画や、資金決済法関連のスキーム構築の実績も有する。ベンチャー企業の成長に必要なフローを網羅し、サービスローンチから資金調達、上場までの流れをトータルにサポートする。
顧問弁護士として企業を守るのみならず、IT/ICTといったベンチャービジネスの分野における新たな価値の創造を目指すパートナーとして、そして事業の成長を共に推進するプレイヤーとして、現場目線の戦略的な法務サービスを提供している。

Authense法律事務所(https://www.authense.jp/)
Authense企業法務(https://www.authense.jp/komon/)

著者紹介

連載Authense法律事務所の西尾公伸弁護士が解説!サステナビリティ経営に欠かせない企業法務のポイント

本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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