(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

インフレ高進と長期金利上昇

金融引き締めはかなり織り込まれた

■世界の株式市場は調整色を強めています。今回の調整は、主に米国のインフレ高進、米国の金融政策のタカ派化と長期金利の上昇が背景です。

 

■米国の消費者物価は、昨年12月に前年同月比+7.0%と39年ぶりの高い水準となりました。弊社は年後半には同+2%台前半ぐらいに落ち着くと見ています。

 

■米国の金融政策については、3月に資産購入の減額(テーパリング)を終了して利上げを開始(3月、6月、12月とそれぞれ0.25%)し、9月からバランスシートの縮小を進めると見ています。利上げの予想は、来年も3回がメインシナリオです。23年末のFF金利は1.75%程度になる見込みです。

 

(注)データは2000年1月1日~2022年1月20日。    実質FF金利=FF金利-期待インフレ率(BEI10年)。 (出所)FactSet、Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
実質FF金利とS&P500種指数 (注)データは2000年1月1日~2022年1月20日。
   実質FF金利=FF金利-期待インフレ率(BEI10年)。
(出所)FactSet、Bloombergのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

実質FF金利が1%までであれば株式市場は落ち着こう

FF金利が大幅に上昇するリスクは低い

■FF金利先物市場も23年末のFF金利を1.75%程度と想定しています。データを振り返ると、インフレ率を考慮した実質FF金利が1%を上回ると株式市場には大きなマイナス要因となっていました。したがって、実質FF金利が1%以下でとどまるとの期待形成になれば、景気や株価に対する懸念は限定的なものになると考えられます。23年以降のインフレ率を2%とすれば、実質FF金利が1%になるにはFF金利が3%となる必要があります。弊社や市場が考える2%以下のFF金利の水準と大きく乖離しており、そこまでFF金利が上昇するリスクは低いと考えられます。

3月以降堅調さを取り戻そう

■現在の米国株式市場は利上げ局面入りを受け入れる過程にあり、2月頃まで変動率の高い展開となりそうです。まずは来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されますが、3月のFOMCで、インフレの見通しや利上げの進め方、バランスシートの縮小等に対して、ある程度方向性が見えてくれば、足元の不透明感はかなり低下すると思われます。米国株式市場は、3月以降、景気・業績に支えられつつ堅調さを取り戻すと考えられます。


 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『今後の金融政策と米国株式市場』を参照)。

 

(2022年1月21日)

 

関連マーケットレポート

2022年1月19日 日銀の金融政策と日本株のパフォーマンスを検証

2022年1月18日 2022年の米国のインフレ見通し

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