前回は、相続した不動産の評価額と実際の換金額がズレる理由を説明しました。今回は、不動産の売り主が「瑕疵担保責任」を追及されるケースについて見ていきます。

購入した土地の中から大量のコンクリートが・・・

前回の続きです。相続税対策を目的とした不動産売買のお手伝いをしてきたなかで、実際、この瑕疵担保責任が問題となるおそれのあるケースに何度も出会ってきました。

 

たとえば、ある高齢の姉妹の方が所有していた土地を生前に不動産業者に売却した例を紹介しましょう。

 

その土地は長年、駐車場として利用されていましたが、売却後は宅地として使われる予定だったので、地面の下に問題なく水道を通せるかどうかを確認するため調査を行うことにしました。

 

調査当日、作業員が地面を掘り返してみると、何と中から大量のコンクリートがら(コンクリートの破片)が次々と出てきたのです!

気づかないまま「売却」したらどうなる?

もともと、その一帯は辺り一面低地の田んぼが広がっていたような場所でしたが、元地主が低い田んぼを埋める際に、近隣コンクリート工場のコンクリートがらを捨てさせて、その上に土をかぶせて整地してしまったようです。

 

不動産業者に土地を売却した際には、がらをすべて取り除きましたが、もし気づかないまま売っていたら、後日瑕疵担保責任を追及され、「予想外のコンクリート撤去費用」を請求されていたのは間違いありません。

 

【図表 瑕疵担保責任の図】

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    本連載は、2016年6月30日刊行の書籍『「相続破産」を回避する地主の生前対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    「相続破産」を回避する地主の生前対策

    「相続破産」を回避する地主の生前対策

    加瀬 義明

    幻冬舎メディアコンサルティング

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