不動産の適正評価が分かる「不動産鑑定評価書」の発行

前回は、不動産の相続税評価を「時価」で評価して税額を抑える方法について説明しました。今回は、「不動産鑑定評価書」の発行プロセスについて見ていきます。

鑑定評価には複数のプロセスが必要

不動産鑑定士が依頼を受けて、不動産鑑定評価書を発行するまでのプロセスは、おおむね以下のような流れになります。

 

(1)鑑定評価の基本的事項を確定する。

(2)処理計画(鑑定評価の作業に関する全体計画や評価の概略的な方針)を策定する。

(3)対象不動産の調査・確認を行う。

(4)鑑定評価に必要な資料を収集し分析を行う。

(5)鑑定評価を行う。

(6)試算価格を調整する。

(7)鑑定評価報告書(鑑定作業の途中でその成果をまとめた文書)を作成する。

(8)鑑定評価報告書の文言・数値のチェック等と報告書の内容の審査を行う。

(9)不動産鑑定評価書を作成する。

(10)不動産鑑定評価書を納品し内容の説明を行う。

必要な日数は約1週間、鑑定料は数十万円程度

不動産鑑定士協会連合会(不動産鑑定士の業界団体)によれば、これら一連の作業にかかる平均日数は、土地のみを鑑定する場合であれば約6、7日間になります。鑑定料金は個々のケースによって異なるでしょうが、おおむね数十万円程度になります。

 

鑑定の結果、正しい不動産の評価額が得られれば、納付する相続税の額が100万円単位で、場合によっては1000万円単位で減少する可能性があることを思えば、決して高い出費ではないでしょう。

株式会社湘南財産パートナーズ 代表取締役

不動産相続関連のセミナーを頻繁に行うなど相続に強い不動産コンサルタントとして精力的に活動中。宅地建物取引士はもちろん、公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士、1級ファイナンシャルプランニング技能士、ファイナンシャル・プランナー(CFP®)、米国公認不動産経営管理士(CPM®)、米国公認商業用不動産投資顧問(CCIM®)、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士など数々の資格を持つ不動産・相続のプロフェッショナル。

著者紹介

連載不動産にかかる莫大な相続税――「相続破産」の実態

本連載は、2016年6月30日刊行の書籍『「相続破産」を回避する地主の生前対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

「相続破産」を回避する地主の生前対策

「相続破産」を回避する地主の生前対策

加瀬 義明

幻冬舎メディアコンサルティング

2015年1月から実施された相続税増税により、「資金が足りずに税金が払えない」「不動産を手放すしかない」という人が急増しています。不動産の売却によって納税資金を用意できればいいものの、「隣地との境界問題が解決できず…

 

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