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「国内総生産ランキング」でみるASEAN諸国の可能性
ASEAN諸国のポテンシャルを人口に着目してみてきましたが、経済に注目してみていきましょう。まず実質GDP。人口規模に左右されやすい指標で、トップは「インドネシア」。世界16位の規模です。続くのが「タイ」で世界28位、「フィリピン」34位と続きます。
また国の豊かさを示す、一人当たりのGDPではトップは「シンガポール」で世界7位。ASEAN諸国のなかでも突出しています。続く「マレーシア」は世界65位。人口規模からみても「シンガポール」以外は内需型の国。だからこそ、人口が今後も増えていくことが、国の成長に直接結びつくと予測され、世界の投資家から熱視線を送られる根拠になっています。
【実質GDP】
「インドネシア」1,027,603百万米ドル(16位)
「タイ」432,703百万米ドル(28位)
「フィリピン」358,294百万米ドル(34位)
「マレーシア」343,625百万米ドル(36位)
「シンガポール」330,094百万米ドル(37位)
「ベトナム」258,509百万米ドル(44位)
「カンボジア」22,999百万米ドル(106位)
出所:国際連合(2020年)
※(カッコ内)は世界順位
【1人あたり名目GDP】
「シンガポール」59,795米ドル(7位)
「マレーシア」10,231米ドル(65位)
「タイ」7,188米ドル(85位)
「インドネシア」3,922米ドル(116位)
「ベトナム」3,323米ドル(124位)
「フィリピン」3,323米ドル(128位)
「カンボジア」1,607米ドル(155位)
出所:世界通貨基金(2020年推定値)
※(カッコ内)は世界順位
前出の通り、ASEAN諸国の魅力は、高い経済成長率にあるとしましたが、コロナ禍の影響はどうだったのでしょうか。コロナ感染が深刻でなかったことで知られている「ベトナム」は、ASEAN諸国で唯一プラス成長を記録。一方で出稼ぎ労働者からの送金が国を支える基盤でもある「フィリピン」は大きな影響を受け、世界176位でした。
【実質GDP成長率】
「ベトナム」2.91%(20位)/7.02%(14位)
「インドネシア」-2.07%(76位)/5.02%(50位)
「カンボジア」-3.14%(93位)/7.05%(12位)
「シンガポール」-5.39%(130位)/1.35%(153位)
「マレーシア」-5.59%(133位)/4.30%(68位)
「タイ」-6.09%(138位)/2.27%(117位)
「フィリピン」-9.57%(176位)/6.17%(26位)
出所:国際連合(2019年~2020年)
※数値左:2020年、数値右:2019年
※(カッコ内)は世界順位
コロナ禍前の2019年のGDP成長率をみてみると、「カンボジア」が前年比7.05%増で世界12位を筆頭に、「ベトナム」が世界14位、「フィリピン」が世界26位と、高い成長率をみせていました。コロナ収束がみえてくると、再び、この高い成長率を享受できるだろうという期待感から、2021年後半ごろから再び海外投資家の資金が、これらの国に戻りつつあります。
もちろん投資である以上、リスクとは表裏一体。海外への投資を考える場合は、いかに現地に通じる信頼できる業者と出合うかが重要です。
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