コロナショックは健全経営されていた会社ほど経営インパクトを受けやすい。(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ自粛後、経済活動の再開が見られてはいますが、飲食店はさまざまなコロナ感染対策をしながら模索が続きます。一蘭の「味集中カウンター」はコロナ対策カウンターが話題になり、ビジネス拡大の追い風になっています。飲食店の二極化はさらに進むのか、国際投資アナリストが著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)で解説します。

居酒屋が「ノンアルコール店」になる日

加えて店内飲食(イートイン)ではなく、持ち帰り(テイクアウト)の展開を始めても従来の売上高の一部の補填にしかならず、且つ外部のデリバリーサービス(ウーバーイーツなど)は売上の4割近くを徴収するそうです。従って、コロナ前までも薄利で回っていた飲食業界において、コロナ倒産が散見され始め、いよいよ値上げなどをしないと本当に回らなくなる、という段階に来ており、コストを反映させた形で、飲食業でもインフレ(物価上昇)がやっとみられるかもしれません。

 

しかし飲食業は新型コロナ対策のみならず、新たな構造的変化にも対応していかないといけません。それはアルコール消費の低下傾向です。居酒屋などの密になりやすい飲食店経営で収益貢献している大きい部分は、アルコール消費です。

 

一方で違う軸から見ると、コロナショック前から最近のトレンドとして、「ソーバー」とか「ゲコ」と呼ばれる、飲酒離れの兆候も大きくみられています。飲めない方以外に、身体や精神健康を考えて、敢えて飲まない方が増えている、ということです。

 

『今の若者は、アルコールを飲んで楽しむことは、あまりコスパの良くない娯楽と考えているのかもしれません。酔って楽しむことによるメリットよりも、健康への悪影響や、費やされる時間やお金などのコスト、酔うことによる失敗のリスクなどのデメリットが上回ると判断しているのかもしれません。』

 

しかも厚生省の調査だと、成人の半分程度は飲酒をしない(またアルコール依存は男性で12%とか、女性で8%)ということで、飲食店などでの飲み会機会が減少することによる更なる飲酒離れは、構造的な変革があるかと思います。

 

今後において、飲食業界はどれだけ、ノンアルコールの消費を通じて経営していくか、という考えが必要になるかと思います。

 

またアルコール飲料の生産側にすると、日本の3大ビールメーカーは、度重なる酒税上昇と変更に加えて、第三のビールと呼ばれる安価なものは売れているものの、伝統的なビールは減少傾向(そしてコロナ禍で更なるマイナス影響)となっており、従来のビール事業による高い収益で他の部門を支えていたというモデルから、飲料(ノンアルや水)への転換、が必須といえるでしょう。

 

そして現状として、日本のビールメーカーが日本から海外市場、特にオセアニアや欧州へ企業買収などを通じて進出、という流れになっています。

 

ただ少種類で専門的(例として日本酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、地ビール等)、且つ長期的にビジネスをやっているアルコールのメーカーさんは、ニッチ市場へのアプローチなどで生き残りが図れるかと思います。

 

後藤康之
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
国際公認投資アナリスト(CIIA)

 

 

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    ※本連載は、後藤康之氏の著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

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