コロナショックは健全経営されていた会社ほど経営インパクトを受けやすい。(※写真はイメージです/PIXTA)

オンライン授業の継続は海外の大学では広く行われており、米国では教育の質が落ちたとの結果も報告されています。オンライン授業で代替するなら高額の学費を払う必要がないという値下げ要求が学生側から起きているといいます。コロナ後の大学はどうなるのでしょうか、国際投資アナリストが著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)で解説します。

コロナ禍が加速させるDXと大学再編

対面授業を再開させ、経済活動も再開させたい、というトランプ政権の思惑があるとされるものの、その裏には米中対立という軸も見え隠れするのかな、と感じます。

 

特に直近は中国からの留学生は毎年30万人と言われており(一説には毎年数兆円ほどの経済効果をもたらしていたようで)、基本的に米国での奨学金制度が使えないため、満額の学費を払う留学生は多くの米国大学にとってドル箱であったわけです。さらに、MBAなどプロフェッショナル型の大学院であればあるほど、もっと高額の学費(年間1000万円程度)を支払う必要があり、安全面を考慮してオンラインに、と促しても、そこに合計数千万円も投資する本当の価値があるのか、という疑問が消えないわけです。

 

一方でトランプ政権としては、留学生という制度を活用して、米国でスパイ活動をしていたのではないか、という疑念をもっており、間接的に雇用も奪っているのでは、という考えもあり、米中対立という面も拭えないようです。

 

日本でも大学に対して、オンライン授業のみでは大学施設も利用していないし、従来の学費には見合わない、またアルバイトの機会減少により、経済的に困窮している生徒も同時に増え、生徒側から学費減額要請や減免申請が見られております。

 

また日本国内に多く存在する、資格管理団体(有名な英検、漢検以外にも多数ありますが)への経営的影響は甚大です。英検・漢検のような財政的に盤石で、組織内でオンライン受講への転換もでき、且つ参考書の販売や広く・多くの教育機関との繋がりがあるような資格団体は例外であるものの、一般的な資格管理団体の主要収入は、試験当日の受験料でありました。

 

比較的マイナーな資格となると、コロナ禍において春夏の受験施設へのキャンセル料や団体維持の固定費などがかかる一方で、オンライン化も進められておらず、またオンライン化でたとえ門戸が広がったとしても、人口減少も相まって、受験者数が必ずしも増えるわけではありません。

 

フランス語・ロシア語・イタリア語検定など、日本国内向けだけの試験で、英語でいうTOEFL・TOEICのようなグローバルで活用できる試験でない資格となると、資格取得に関する存在意義や今後の発信の仕方に更なる模索が必要であると思います。

 

このような資格管理団体は、試験のオンライン化(そしてカンニングができないような、家でも受講できる体制を整える)に加えて、資格勉強による付加価値(就職などの金銭面だけでなく、資格取得を通じた新たなネットワークの広がりや知見など)を資格管理団体がスポンサーしてでも進めていく必要があるように感じます。

 

教育のような重要な領域については、様々な利害関係者が多く絡んでいるため、コロナ感染拡大防止というスローガンのみでの変化は力強くなく、一時期メディアで注目された、生徒の学習機会損失を減少という目的からの、学校制度の『9月入学』への動議も実務的に難しい、ということで機運は一気に落ちてしまいました。しかし教育機関の経営的影響が見えやすい大学などにおいては、コロナ禍での変化が早くみられると思いますし、それがDXに留まらず、大学再編の流れにつながるかもしれません。

 

後藤康之
日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
国際公認投資アナリスト(CIIA)

 

 

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    ※本連載は、後藤康之氏の著書『最強の外資系資産運用術』(日本橋出版、2021年4月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

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