司会に必要なことはNHKの「土曜スタジオパーク」で学んだというビビる大木氏。番組宣伝で登場するゲストにする素朴な質問が視聴者が知りたい、したたかな質問に変わるときがあるという。ビビる大木氏が学んだ誰でもマネできる「質問の極意」を著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)で明かします。

質問力を上げるには通常の10倍注意深く聴く

■素朴な疑問がしたたかな質問に変わるとき

 

では、どうやって話を聞き出していくのか。まずは、ゲストの方が話した内容を、普通に聞く聴き方の10倍以上注意深く聴きます。

 

話されたゲストの方は、「話したから、はい、おしまいね」という感じになるところを、よく聴くことで、まずはクエスチョンマークが生まれます。それが、ポイントでした。相手の話を聴いて、「何だろう?」と引っ掛かりを探すみたいなことです。

 

たとえば、「ドラマの撮影の合間に釣りに行くのが唯一の楽しみでした」と俳優さんがお話しされたら、「釣り行くんですか? 何を釣るんですか?」なんて聞くわけです。すると、「湖でブラックバスを釣りました」と言われたら、「ああ、そうですか」となり、「この人は釣りが好きなんだ」ということで、普段はそれで話が終わります。

 

そこを、「ちなみに、その釣りに行くとき、音楽は何を聞いているんですか?」という質問をすることで、また新しい情報を視聴者の方にお届けできるわけです。僕が新しく聞いた質問からです。そういうことを目指していたわけです。すごく地味な作業でしたが、ゲストから新しい情報を知ることができ、それを視聴者は「おもしろい!」と思うわけです。この小さな喜びを、僕は大切にしたいと思いました。

 

生放送ですから、当然ある程度、時間と台本も決まっているので難しい作業でした。しかし、結局、映画の番宣でしたら、出演者の方は同じ話をするので、そうすると「またこれか」と視聴者は思います。そこで、うまく脱線させると、「ああ、おもしろいな」と視聴者は思うわけです。

 

大河ドラマが始まるというときには、出演する俳優さんたちに、「ちなみにセリフは、家で覚えているんですか? 外ですか? 車の中ですか?」と聞きます。「お風呂ですか?」と聞いたこともありました。

 

そうすると急に、「僕、家で一切読まないから」という人が出てきます。「えっ? じゃあ、全部現場で覚えているんですか?」と聞くと、「そうだよ」と答える。僕と視聴者は「へー!」となるわけです。

 

俳優の方はそういう舞台裏の話を進んでしません。なかなか、聞き出せないのです。なかにはもう、「家の駐車場で2時間、3時間、車の中で一人で集中して、セリフを覚えきって家に入ります」という方も。

 

「なるほどね」と思います。「家族がいてなかなか時間が取れないから、駐車場で集中して覚えて、家に帰るんだ」と聞いて、「すごい!」と思うのです。こうした、一つ踏み込んだ情報を聞き出したいという気持ちが強かったです。

 

ビビる大木

 

 

※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる 大木

プレジデント社

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