1人で100人担当…「ケアマネと利用者の関係」がこじれる理由 (※画像はイメージです/PIXTA)

35人を担当しているケアマネにとって、ひとりの利用者は35分の1の存在です。もちろん、利用者の自宅を訪問し、体の状態や受けている介護サービスについて面談しているときは、その人のことに集中しています。しかし、利用者から見れば、そのケアマネは自分を担当する、たったひとりの存在。その温度差が原因で…。

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月1回以上のモニタリングをしないと報酬減額

■多岐にわたるケアマネの仕事と役割

 

ケアマネの仕事内容を紹介していきます。

 

まず、挙げられるのがケアプランの作成です。要介護になり、介護サービスが必要になった人の家を訪問し、利用者本人とその家族と面談。本人の体や気持ちの状態をチェックし、家族が抱える事情なども聞いたうえでケアプランをつくります。

 

ケアプランには利用者本人に必要と思われるサービスを盛りこみ、事業者のなかから利用者にもっとも適切なサービスを提供できると思われる人を選定し、連絡。その人たちを集めて「サービス担当者会議」を行ないます。利用者の介護を支え、状態を良い方向に向かわせるためのチームをつくり、情報を共有するわけです。

 

そして、そのケアプランをもって利用者宅を再訪。本人や家族にプランに盛りこんだサービスを説明し、訪問スケジュールを調整して合意を得ることで介護サービスがスタートします。

 

その後も「モニタリング」といって、月に1回以上は利用者宅を訪問し、利用者の状態や、いま受けている介護サービスが適正かどうかなどをチェック。課題が見つかれば、ケアプランを見直すこともあります。35件を担当している場合、休日を除けば1日平均で2軒は訪問することになるわけです。

 

しかし、介護現場の事情は、そう単純ではありません。ケアマネは公正中立が大原則ですが、担当するすべての利用者に対して平等に目配りすることは難しいものです。

 

独居で認知症の人はつねにチェックしておく必要がありますし、ほかにも体の状態が急変した人、徘徊などで家族が苦労している人、トラブルを起こしがちの人などのもとにはひんぱんに通うことになります。利用者本人の状態が安定しており、家族もしっかり介護しているような家は、つい放っておきたくなるわけです。

 

とはいえ、月1回以上のモニタリングをしないと報酬を減額される罰則を受けるため、欠かすことはできない。結果、日中は数多くの利用者の家の訪問に費やされることになります。

 

それらを済ませ、事業所に帰ってからはデスクワークが待っています。介護サービスで発生する介護給付費の管理もケアマネの仕事。利用者へのサービス利用票とサービス事業者へのサービス提供票を作成してサービスが行なわれたことを証明し、事業所に介護給付が適正に行なわれるように必要書類をつくって提出しなければなりません。

 

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フリーライター

1956年、埼玉県生まれ。明治大学法学部中退。スポーツやビジネス分野を中心に取材・執筆活動を展開してきたフリーライター。父親介護の体験を機に、高齢者介護のあらゆる問題を社会と個人の両面から精力的に取材。現場のリアルを『PRESIDENT Online』で発表している。また、『DIAMOND online』ではスポーツのコラムを執筆中。

著者紹介

連載「頼れるケアマネ」と「問題なケアマネ」の見分け方

※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

有能な人が担当になればラッキー。ところが、そうでない人だと…。介護サービスを受ける際の中心的な存在であるケアマネージャー。その良し悪しはどこで判断できるのか、「もっといい人を」と思ったら、どう対処すべきか。著者…

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