【関連記事】要介護の夫を支える妻に「要支援認定」が…老々介護の対応策
要介護1~5:小規模多機能型居宅介護
平成18年4月から介護保険に「地域密着型サービス」が加わりましたが、その中で最も注目されたのが「小規模多機能型居宅介護」です。要介護1~5の人が利用できるほか、要支援1・2の人は介護予防の同サービスが利用できます。
利用者の住み慣れた地域で、事業所への「通い」(デイサービス)を中心に、なじみのあるスタッフが利用者宅を「訪問」したり、事業所へ「宿泊」したりなど、3つの機能を兼ね備えたサービスです。
しかし、ケアマネジャーにはなかなか理解されず、予想に反して利用者数も増えませんでした。その理由は、小規模多機能型居宅介護を利用するには、それまで担当してくれたケアマネジャーが、小規模多機能型居宅介護施設専任のケアマネジャーに代わること、費用も包括払いという定額料金になること、があげられます。
サービス自体は、軽度認知症の要介護者に最適なサービスです。在宅生活を続けながら、少人数(一定の場合利用定員18人以下)のデイサービスを利用し、時々「泊まり」や「訪問」のサービスが受けられる在宅と施設の中間的な位置づけの施設です。
要介護1~5:看護小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護に訪問看護が加わった、医療的ケアが必要な中重度の要介護者に適したサービスです。要介護1~5の人が利用できます。今後はこのサービスがますます必要になるのではないかと思われます。

要介護1~5:夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護ができる前は、従来の訪問介護を補完する夜間対応のサービスの位置付けでしたが、サービスを提供する事業所は減少しました。現在も制度上はあるものの、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が取って代わる様相になっています。要介護1~5の人が利用できます。
このサービスは、利用者が自宅で24時間安心して生活できるよう、夜間帯にホームヘルパーが自宅を訪問します。
定期巡回は、夜間帯(18時~8時)の定期的な訪問により、排せつの介助や体位変換、安否確認などを行います。
随時訪問は、ベッドから転落して自力で起き上がれないときや夜間に急に体調が悪くなったときなどに、オペレーションセンターに連絡してホームヘルパーを呼んで介助を受けたり、救急車の手配などのサービスを受けることができます。
福岡 浩
介護業務運営・業務改善コンサルタント
元介護サービス情報の公表制度主任調査員