【元調査員が解説】特養ホーム等への「短期入所生活介護・短期入所療養介護」の概要

【元調査員が解説】特養ホーム等への「短期入所生活介護・短期入所療養介護」の概要
(※画像はイメージです/PIXTA)

超高齢社会となったいま、要介護者となったご高齢者、そしてそのご家族の方が「介護サービス」の種類や内容を知り、適切に活用することは非常に大切です。ここでは、在宅で受けられる介護サービスのうち、「特養ホーム等の短期滞在」について、介護業務運営・業務改善コンサルタントで、元・介護サービス情報の公表制度主任調査員が解説します。

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要介護1~5:ショートステイとも、数日~数週間の入所

短期入所は「ショートステイ」とも呼ばれます。数日から数週間に限り、一時的に特養ホームなどに入所するサービスで、2つの種類があります。いずれも、要介護1~5の人が利用できます。

 

要支援1・2の人は、介護予防短期入所生活介護・介護予防短期入所療養介護を利用できます。

短期入所生活介護

短期入所生活介護は、家庭における在宅介護が一時的に困難になったときなどに、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)に併設されている福祉施設に短期間入所します。食事や着替え、入浴などの日常生活上の介護や相談、機能訓練、レクリエーション等を受けるサービスです。

短期入所療養介護

家庭における在宅介護が一時的に困難になったときなどに、介護老人保健施設や医療施設等に短期間入所します。医師や看護師、理学療法士などから、医療的管理の下で、生活機能訓練や生活支援などを受けるサービスです。

 

●利用のしかた

軽度認知症などの要介護者で、家族が日常生活の世話や介護を必要とし、介護保険サービスも利用している場合に、家族が心身の疲労のため数日間休む場合などには短期入所生活介護が利用されます。

 

また、なんらかの病気で入院し、退院後に自宅で訪問介護や居宅療養管理指導、訪問看護などを利用しながら療養中の要介護者の家族が、冠婚葬祭などで数日から数週間不在になるような場合には、短期入所療養介護が利用されます。なお、どちらも、利用日数は連続で30日間までとなります。

 

●サービス費用と利用者負担

サービス費用は、居室が2名以上の多床室か個室かなど施設・居室のタイプで差があります。

 

例えば、要介護3の利用者が、単独型施設のユニット型個室で3日間、短期入所生活介護を利用した場合、総費用は(介護費8810円+滞在費2006円+食費1445円)×3日=3万6783円になりますが、自己負担の合計は下の図のようになります(2021年8月からの金額です)。

 

利用者負担は原則1割(所得により2割・3割)で、食費と滞在費は自己負担となりますが、低所得者には補足給付があります。この他にオムツ代や日常生活費などが別途かかります。

 

※利用者負担は1割負担、部屋代、食費は基準費用額で計算
※利用者負担は1割負担、部屋代、食費は基準費用額で計算

 

 

福岡 浩
介護業務運営・業務改善コンサルタント
元介護サービス情報の公表制度主任調査員

 

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本記事は長年に渡り介護事業の運営・マネジメントに携わってきた福岡浩氏の著書『プロの調査員が教える!介護事業所・施設の選び方が本当にわかる本』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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福岡 浩

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