【関連記事】要介護の夫を支える妻に「要支援認定」が…老々介護の対応策
要介護1~5:最も多く利用されている居宅サービス
利用者の自宅を訪問するホームヘルパー(訪問介護員)により、入浴介助、着替えの介助、排せつ介助、身体の清拭、食事介助、体位変換等の「身体介護」や、掃除、洗濯、調理、買い物等の「生活援助」を受けるサービスです。要介護1~5の人が利用できます。身体介護と生活援助をあわせて利用することもできます。
また、「通院等乗降介助」は、要介護者の通院時の車への乗降介助と運転がホームヘルパー1人で行われるサービスで、運賃は別途自己負担となります。
在宅介護を支える主力サービスの1つ
1人暮らしの軽度者(要介護1・2)が生活援助を利用する場合には、できないことをホームヘルパーに援助してもらい、本人ができることは積極的に行うことで、「重度化防止」に効果があります。中重度(要介護3~5)の利用者は、日常的に排せつの介助や食事の介助が必要な場合に、1日に短時間のサービスを複数回利用することもできます。
医療的なケアが必要な場合には、訪問看護や訪問医療と並行して利用する例もあります。
なお、要支援1・2の人は「日常生活支援総合事業」の「訪問型サービス」を利用できます。
サービス費用と利用者負担
例えば、20分未満の身体介護を利用した場合、167単位×10円で、介護給付費は1670円です。しかし、東京や横浜などは物価水準などの理由で、地域単価が11.40円、11.12円になります。すると介護サービスの価格である介護給付費は、東京23区で1903円、横浜市で1857円となります(2021年4月からの単位数です)。
利用者は、利用者負担としてこの1割(または2割・3割)を支払います。早朝(6時~8時)や夜間(18時~22時)の場合は、所定単位数の25%が加算されるなど、各種の加算や減算もあります。
その他の市町村も同様に、地域の区分によって単価が設定されています。
中重度者向けの訪問介護もある
訪問介護には、他にも「夜間対応型訪問介護」や「定期巡回随時対応型訪問介護看護」があります。こちらは中重度の利用者の身体介護を中心に、夜間のサービス対応や1日数回の定期的な訪問、急な訪問要請にも応えられる体制となっています。ただし、サービス提供事業者が少なく、どこにでもあるわけでありません。担当のケアマネジャーと相談し、利用目的に合わせて検討しましょう。
福岡 浩
介護業務運営・業務改善コンサルタント
元介護サービス情報の公表制度主任調査員
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】