買取価格が下がるのは必然だが・・・
もう一つ、太陽光発電投資にとっていまの時代がどのような時代なのかを確認する中で指摘できる点を挙げておきましょう。
それは、売電単価そのものの行方は見通せないものの、売り先の市場は広がっていくのではないか、という点です。市場が広がりを持てば、需要と供給の関係で売電単価が上がっていく可能性も否定できません。
固定価格買取制度で定める買取価格、つまりこの制度に基づく売電単価は、残念ながら下がっていくほかないと考えられます。買取価格の原資は、電力利用者が負担する賦課金です。買取価格を上げることは、電気料金の値上げを意味するわけです。
エネルギーである以上、今後も価値は十分に見込める
太陽光の発電コストが下がってきたいま、電気料金を上げてまで買取価格を引き上げる必要性は見込めません。しかし当然のことながら、売電価格がゼロになることは決してあり得ません。電気エネルギーなのですから、価値は十分に見込めます。
再生可能エネルギーを活用した、CO2排出削減に貢献するクリーンな電気として、プレミアムがついてもいいくらいです。そうした価値ある商品である以上、固定価格買取制度に基づき電力会社に売電する以外の道が開けてくる可能性も考えられます。
その可能性を高めるのが、前回もふれた電力システム改革です。電力システム改革という言葉には聞き覚えがなくても、電力の小売り自由化という言葉はお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
2016年4月からは家庭用電力でもこの小売り自由化が進んでいくことになるので、新聞・テレビなどのニュースでもよく取り上げられています。これも、電力システム改革の一部です。
それが、太陽光発電投資にどう関係するのか、という点をご理解いただくために、まず電力システム改革そのもののことを次回から簡単にご紹介していきましょう。エネルギーの今後の動向を見通すうえで避けては通れないトピックです。