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業況判断D.I.: 対面サービス業の回復が際立つ、自動車は悪化が継続
全規模全産業の業況判断D.I.は2(前回比4ポイント上昇)、先行きは0(現状比2ポイント下落)となった。大企業について、製造・非製造業別の状況は以下のとおり。
(大企業)
大企業製造業の業況判断DIは18と前回調査から横ばいで推移した。業種別では、全16業種中、下落が8業種と上昇の6業種を上回った(横ばいが2業種)。
産業の裾野の広い自動車(1ポイント下落)が長引く部品不足を受けて前回に続いて下落し、自動車向けに製品を出荷する鉄鋼(6ポイント下落)や非鉄金属(12ポイント下落)、化学(2ポイント下落)などに影響が波及した。また、原材料高や円安によるコスト増加を受けた木材・木製品(5ポイント下落)、紙パ(4ポイント下落)、食料品(5ポイント下落)の下落も目立った。一方、好調なIT関連需要の追い風を受ける生産用機械(5ポイント上昇)、業務用機械(7ポイント上昇)のほか、原油価格高騰で在庫評価益が発生した石油・石炭(13ポイント上昇)、緊急事態宣言解除を受けて外出着需要が持ち直した繊維(8ポイント上昇)が下支え役となった。
先行きについては、下落が11業種と上昇の3業種を大きく上回り(横ばいが2業種)、全体では5ポイントの下落となった。
半導体等部品不足の緩和と挽回生産を見込む自動車(10ポイント上昇)の上昇が顕著になっている一方、木材・木製品(19ポイント悪化)、紙パ(15ポイント悪化)、石油・石炭(18ポイント悪化)、金属製品(15ポイント悪化)、業務用機械(10ポイント悪化)などが軒並み二桁の悪化を示している。内外での新型コロナの感染再拡大や原材料価格高騰などが警戒されているとみられる。
大企業非製造業のDIは前回から7ポイント上昇の9となった。業種別では、全12業種中、上昇が9業種と下落の2業種を大きく上回った(横ばいが1業種)。
緊急事態宣言解除に伴う人流の持ち直しが追い風となった対個人サービス(娯楽産業を含む・36ポイント上昇)や宿泊・飲食サービス(24ポイント上昇)、小売(7ポイント上昇)のほか、設備投資関連需要の持ち直しを受けた物品賃貸(13ポイント上昇)、不動産(14ポイント上昇)、IT化需要を受けた情報サービス(9ポイント上昇)などで改善が目立つ。一方、原材料価格(建材コスト)が上昇している建設(1ポイント下落)や原油高で燃料コストが増加している運輸・郵便(2ポイント下落)は景況感が弱含んだ。
先行きについては、下落が8業種と上昇の4業種を上回り、全体では1ポイントの下落となった。
これまで事業環境が最悪であった飲食・宿泊サービス、対個人サービスでは、さらなる人流回復期待を織り込んで各22ポイント、5ポイント上昇しているものの、対事業所サービス(13ポイント低下)、物品賃貸(10ポイント低下)、情報サービス(9ポイント低下)、通信(9ポイント低下)、不動産(5ポイント低下)など多くの業種で景況感の悪化が目立つ。情報サービスや通信では巣ごもり需要の反動に伴う需要減が、それ以外の業種では新型コロナの感染再拡大や原材料価格高騰などが警戒されているとみられる。
![[図表1]業況判断DI](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/3/6/600/img_369a2b949e5c34f4d3d7dedb174840fb136542.jpg)
![[図表2] 業況判断DI(大企業)](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/600/img_664009dd003a19ffdf2f0ba62c640b2f119674.jpg)
![[図表3]大企業と中小企業の差(全産業)](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/7/2/600/img_723bf96c5122a9e30c542b5b40d208ff146492.jpg)