アメリカで登場している「離婚テック」とは?
離婚するには、労力や費用がかかる場合が少なくありません。こうした労力や費用の負担を軽減するため、アメリカでは「離婚テック」と呼ばれるサービスが登場しています※4。
ここでは、近年注目されている離婚テックについて紹介します。こうしたサービスは日本ではまだ見かけませんが、今後似たようなサービスが登場する可能性は十分に考えられるでしょう。
離婚協議を支援するサービス
シリコンバレー発のウィボース(Wevorce)がリリースした「プライベートジャッジ」は、裁判所に行かずとも離婚協議をおこなうことができるサービスです。
プライベートジャッジでは、夫婦がそれぞれウェブサイト上で親権や財産分与などの条件を提示し、弁護士が調整して両者が合意をすることで、裁判所に出向くことなく離婚が成立します。
また、プライバシーにかかわる情報が非公開である点も大きな特徴です。円満な離婚をスピード解決することへの活用が見込まれています。
離婚後の家計のシミュレーションサービス
デトロイトのディボースAI(Divorce AI)が提供しているのは、離婚後の家計をAIでシミュレーションするサービスです。子どもの養育費や分与する財産などの情報を入力することで、レポートを生成してくれます。
離婚後は家計の状況が大きく変動するため、あらかじめシミュレーションをすることで、事前の備えや離婚時の条件提示の検討などへ活用することが可能です。
まとめ
経営者の財産には自社株式が含まれていることが多く、財産分与の金額も大きくなりやすい傾向にあります。離婚により経営にまで支障をきたしてしまわないためにも、これから結婚をする経営者は婚前契約の締結を検討すると良いでしょう。
また、離婚をする際には、離婚後の紛争を避けるため、様々な事項を取り決めておく必要がありますが、財産関係の整理として、財産分与は、原則として婚姻期間中に形成した夫婦の財産を折半するという処理になるため、離婚時に大きな問題となります。
万が一の際、財産分与において生じうるリスクを正しく考慮し、これに備えた効果的な事前合意をしておくことは非常に重要ですので、専門の弁護士にご相談いただくことをお勧めします。
西尾 公伸
Authense法律事務所 弁護士
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