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「ダイニングテーブル」と「仕事用の机」のある共通項
ダイニングテーブルと仕事用の大きな机には、ある共通項がある。それは、使う人数と大きさとのバランスだ。大きすぎても会話が成り立たないし、小さすぎると腕がぶつかって居心地が良くない。
家族4人で食事をしていた時期は、オーバル型のダイニングテーブルを使っていた。数年前に家内を見送り、子どもたちも独立した今、日常的な食事をするときにはキッチンに置いた丸テーブルで軽く済ませている。
ゲストがきたときはリビングルームのオーバルテーブルに案内するが、これは機能性を優先するというよりも、日常にメリハリをつけたいからそうしている。
丸いダイニングテーブルというのは、あまり一般的ではないかもしれない。たいていは長方形か正方形だし、皆、そのほうが空間におさめやすいと思っている。しかし僕はあえて、オーバル型のテーブルを強くすすめたい。
最近の家庭は仕事部屋や子ども部屋をつくるよりも、食事をするところで勉強したり、仕事をしながら家事をしたり、といった「ながら仕事」が増えていると聞く。そんなとき、スペースに少しゆとりのある丸テーブルが使いやすい。
人間は、60cmの間口さえあれば動きが妨げられず、快適に過ごせる。例えば喫茶店の席を思い出してほしい。テーブルも座席も、一人分は幅60cmになっている。古い喫茶店で見かける角テーブルは理にかなっているというわけだ。ただ、人数が増えるとやっかいだ。例えば三人だと幅180cm必要で、幅を狭めると肘と肘とがつっかえ始める。
丸いテーブルだと、互いの肘が逃げて、ゆったりと食事できる。しかも丸いテーブルやオーバル型なら角がないので、席をつめあえば六人でも八人でも入れる。料理や空間をシェアすることで、関係性にやさしさが生まれる。その気配が僕は好きだ。
ひとつのテーブルをシェアしあって、目と目を見交わしながら食事する。家族の気配を感じながら、おのおのの仕事をする。そんなとき、喜びが心のなかに満ちてくる。
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