コロナ禍、「おうち時間」の増加で家具や家電など、インテリアにこだわる人は増加傾向にありますが、「家族全員がくつろげる住まい」作りの真髄はどこにあるのでしょうか。本記事では、ライフスタイルショップ「SEMPRE DESIGN」代表取締役会長である田村昌紀氏が、理想的で豊かなライフスタイルについて紹介していきます。

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「ダイニングテーブル」と「仕事用の机」のある共通項

ダイニングテーブルと仕事用の大きな机には、ある共通項がある。それは、使う人数と大きさとのバランスだ。大きすぎても会話が成り立たないし、小さすぎると腕がぶつかって居心地が良くない。

 

家族4人で食事をしていた時期は、オーバル型のダイニングテーブルを使っていた。数年前に家内を見送り、子どもたちも独立した今、日常的な食事をするときにはキッチンに置いた丸テーブルで軽く済ませている。

 

ゲストがきたときはリビングルームのオーバルテーブルに案内するが、これは機能性を優先するというよりも、日常にメリハリをつけたいからそうしている。

 

丸いダイニングテーブルというのは、あまり一般的ではないかもしれない。たいていは長方形か正方形だし、皆、そのほうが空間におさめやすいと思っている。しかし僕はあえて、オーバル型のテーブルを強くすすめたい。

 

最近の家庭は仕事部屋や子ども部屋をつくるよりも、食事をするところで勉強したり、仕事をしながら家事をしたり、といった「ながら仕事」が増えていると聞く。そんなとき、スペースに少しゆとりのある丸テーブルが使いやすい。

 

人間は、60cmの間口さえあれば動きが妨げられず、快適に過ごせる。例えば喫茶店の席を思い出してほしい。テーブルも座席も、一人分は幅60cmになっている。古い喫茶店で見かける角テーブルは理にかなっているというわけだ。ただ、人数が増えるとやっかいだ。例えば三人だと幅180cm必要で、幅を狭めると肘と肘とがつっかえ始める。

 

丸いテーブルだと、互いの肘が逃げて、ゆったりと食事できる。しかも丸いテーブルやオーバル型なら角がないので、席をつめあえば六人でも八人でも入れる。料理や空間をシェアすることで、関係性にやさしさが生まれる。その気配が僕は好きだ。

 

ひとつのテーブルをシェアしあって、目と目を見交わしながら食事する。家族の気配を感じながら、おのおのの仕事をする。そんなとき、喜びが心のなかに満ちてくる。

 

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本当に必要なものだけに囲まれる、上質な暮らし

本当に必要なものだけに囲まれる、上質な暮らし

田村 昌紀

幻冬舎メディアコンサルティング

25年間、世界中の美しいデザインを追求し、「SEMPRE DESIGN」の田村氏が辿り着いた、長年にわたって愛用できるものに囲まれて過ごす、理想的で豊かなライフスタイルの真髄。

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