インテリアデザインのプロ「部屋の灯りは極限まで減らす」理由

コロナ禍、「おうち時間」の増加で家具や家電など、インテリアにこだわる人は増加傾向にありますが、「本当に自分らしい空間」作りの真髄はどこにあるのでしょうか。本記事では、ライフスタイルショップ「SEMPRE SESIGN」代表取締役会長である田村昌紀氏が、理想的で豊かなライフスタイルについて紹介していきます。

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天井の明るい光は、暮らしの奥行きを消し去ってしまう

リビングルームには、据え付けの照明を一切入れていない。ダウンライトすら設置していない。ダイニングのスペースにひとつだけペンダントライトをさげているけど、僕はこれさえなくてもいいかもしれない、と思っている。

 

かわりに僕はいつも、手元の灯りを使うようにしている。この家の天井は平らで、間接照明が反射するようになっている。静かな夜、手元の灯りが天井にふわっと広がるのを見ていると心が穏やかになっていく。

 

「手元の灯りだけで暮らすなんて」と驚かれることも多い。今でこそ珍しいかもしれないけど、昔は行灯のともしびで暮らしていたのだし、ヨーロッパに行っても、テーブルの上に置いたキャンドルの灯りで食事をするのは珍しいことではない。

 

天井は、反射光だけ映すほうが空間的に落ち着きが生まれる。しかし日本では、圧倒的に天井照明が多い。「それでは暗い」とこぼす人が多いからだそうだ。

 

夜、マンションを見上げると、どこの家の窓からも、天井照明が輝いている。すべてがあけっぴろげで、昼間と同じように明るい。そのほうが、新聞を読みやすいのかもしれない。料理が明るく見えるのかもしれない。子どもたちが夜、勉強をするのに困らないのかもしれない。

 

だがそれは、美しく暮らす境地からは遠ざかってしまう。天井からの光はすべてを明るく照らして、部屋の凹凸をすべて消し去ってしまうのだ。のっぺりとした食卓、のっぺりとした家族の顔、のっぺりとした幸福感。そこに奥行きは感じられない。

 

僕らはもっと陰影を味わったほうがいい。昔のように、手元の灯りはひとつだけにする。暗くすることで目が休まり、気分が落ち着く。家は、どこよりもくつろぐ場所でありたい。

 

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ライフスタイルショップ「SEMPRE DESIGN」 代表取締役会長

武蔵野美術大学工業デザイン科を卒業後、より良い暮らしの提案ができるようになりたいと日本ベッド製造株式会社で3年間勤め、その後渡米してミシガン州クランブルックアカデミー・オブ・アートに留学。帰国後は田村デザイン事務所を設立し、ドイツの家具メーカーHUKLAの日本進出をサポートする。
そのほかにも、株式会社丸井グループのオリジナルインテリア商品と店舗開発や、株式会社ゼロファーストデザイングループを3人の仲間と興すなど、インテリアコーディネートや家具、室内装飾品の市場調査、開発企画、コンサルティング業務に携わってきた。2002年からは全国の人に暮らしを提案するため独自のネットショップ「SEMPRE.JP」をスタート。今なおファンを増やし続けている。
現在は東京の池尻大橋に本店を構え、世界中からセレクトしたものを扱う。選りすぐりのなかから、生活者がその人らしくいられる空間を提案している。

著者紹介

連載本当に必要なものだけに囲まれる、上質な暮らし

本当に必要なものだけに囲まれる、上質な暮らし

本当に必要なものだけに囲まれる、上質な暮らし

田村 昌紀

幻冬舎メディアコンサルティング

25年間、世界中の美しいデザインを追求し、「SEMPRE DESIGN」の田村氏が辿り着いた、長年にわたって愛用できるものに囲まれて過ごす、理想的で豊かなライフスタイルの真髄。

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