がんに体重が影響?「寿命を延ばすには…」東大病院医師が解説

東大病院に勤める医師、中川恵一氏は、2020年6月、師とする養老孟司氏の心筋梗塞を発見しました。中川氏は、甲状腺がんや前立腺がんという「見つけなくてもよいがん」がある一方で、がんや心筋梗塞について検診と予防を推奨しています。 ※本連載は、書籍『養老先生、病院へ行く』(エクスナレッジ)より一部を抜粋・再編集したものです。

 

【関連記事】「失明しそうな人」だけに現れる不思議な症状【眼科医が解説】

「がん、心筋梗塞の予防」気をつけたい生活習慣

甲状腺がんや前立腺がんのように、見つけなくてもよいがんというのはごくまれです。「がんは放置してもよい」とする、ある医者の本が話題になったことがありますが、すべてのがんにあてはまるわけではありません。というより、ほとんどのがんにおいては間違った考え方です。

 

多くのがんは放置することで早期治療する機会を失います。放置によって、がんがあちこちに転移してしまうと、治癒が困難になります。がんで死なないためには、早期発見が大事なのです。

 

また、がんは生活習慣で予防できる病気でもあります。がんのリスクを下げるには、禁煙や節酒がよく知られていますが、おすすめしたいのは運動です。

 

コロナ禍で日本国民の運動不足が懸念されていますが、運動不足はがんの発症リスクを高めます。逆に、運動は多ければ多いほどがんのリスクを減らすので、工夫して運動を心がけるようにしたいものです。

 

養老先生もかかった心筋梗塞も、予防できる病気の1つです。加齢とともに血管も老化していきます。医学的には動脈硬化といいますが、動脈が硬く脆くなる病気です。動脈硬化が進むと、血栓(血のかたまり)などによって血管が詰まりやすくなります。そして、養老先生のように心臓の冠動脈が詰まるのが心筋梗塞などの虚血性心疾患です。

 

また動脈硬化が進むと、脳の血管も詰まりやすくなります。脳の血管が詰まって起こるのが脳梗塞などの脳血管障害です。

 

心筋梗塞や脳梗塞は致死率の高い病気ですし、脳梗塞では命が助かっても、半身不随などの後遺症が残ることもあります。これらを引き起こす動脈硬化は、確かに血管の老化ではあるのですが、老化の進み方には個人差があります。また生活習慣によっても異なります。

 

動脈硬化を進める危険因子としてよく知られているのが、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満、喫煙などです。養老先生は糖尿病で喫煙者でしたから、動脈硬化を進める因子を少なくとも2つは持っていたことになります。

東京大学名誉教授 医学博士
解剖学者

1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。

95年、東京大学医学部教授を退官後は、北里大学教授、大正大学客員教授を歴任。京都国際マンガミュージアム名誉館長。

著書に、毎日出版文化賞特別賞を受賞し、447万部のベストセラーとなった『バカの壁』(新潮新書)のほか多数。

著者紹介

東京大学大学院 医学系研究科 特任教授 医学博士

1960年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業後、同大学医学部放射線医学教室入局。

社会保険中央総合病院放射線科、東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師、准教授を経て、現在、東京大学大学院医学系研究科特任教授。2003年〜2014年、東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。

共・著書に『医者にがんと言われたら最初に読む本』(エクスナレッジ)多数。

著者紹介

連載養老先生、病院へ行く

養老先生、病院へ行く

養老先生、病院へ行く

養老 孟司
中川 恵一

エクスナレッジ

あの「あの病院嫌い」の養老先生が入院した!? 自身の大病、そして愛猫「まる」の死に直面した養老先生が、「医療」や「老い」「大切な存在の死」とどう向き合うかなど今の時代のニーズに合致しつつも普遍的かつ多様な書籍で…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧