「復職デイケア」…利用しなければどうなるのか?
また、あまり多くはありませんが、医師に連携の意欲はあっても、リハビリ施設の担当者にこうした意欲が乏しい場合もあります。この場合は、医師側が働きかければ、スタッフの意識が変わることは多いので、大きな問題にはなりにくいと考えます。
私自身も、初めてつながる施設に対してはそのようにお願いをしていますが、こうした要望を伝えている医師は珍しいようで驚かれます。
最初はおっかなびっくりでも、医師が患者の状況に関心をもち、スタッフが迷った場合に相談できる存在となることで、スタッフは安心できます。そして、それまではあまり気にとめていなかった患者の様子にも気がつくようになってくれ、意欲的に情報を共有してくれたり、意見を言ってくれるようになるのです。
また、医師と情報共有したスタッフが、さらに別の職種のスタッフとも連携してくれることもあり、頼もしい限りです。
ところで、近隣に利用できる施設がないなどの事情で、復職デイケアを利用しないまま、復職を目指さざるを得ない場合もあります。そうなると医師本人が職場と連絡を取らざるを得ません。私も経験がありますが、これはなかなか大変な仕事ですし、診療報酬の対象にもなりません。
多くの医師は「そこまでできない」と、患者とその家族に職場との連絡を任せることになります。
小椋 哲
医療法人瑞枝会クリニック 院長