土壌汚染地の相続税評価額…計算のポイント
ここでは、土壌汚染地の相続税評価額の計算で知っておきたいポイントを三つご紹介します。
土壌汚染が判明している場合のみ評価額を減額できる
土壌汚染地として相続税評価額を減額できるのは、被相続人の死亡時点で土壌汚染の状況が判明している場合に限られます。土壌汚染の疑いがあるという潜在的な状態では、評価額を減額することはできません。
汚染原因者への求償権は相続財産になる
土壌汚染地の浄化・改善費用は、通常、その土地の所有者が負担します。ただし、汚染の原因が第三者にあって原因者を特定できる場合は、その原因者に費用を請求できる場合があります。
原因者に費用を請求できる場合は、その請求権(求償権)は相続財産として相続税の課税対象になります。一方、費用を請求できる見込みがない場合は、相続財産として認識する必要はありません。
土壌汚染地の減額を知らずに申告した場合
ここでご紹介した土壌汚染地の相続税評価額の計算方法は、財産評価基本通達に規定されたものではありません。そのため、相続時に土壌汚染が判明していたにもかかわらず、相続税評価額を減額しないで相続税を申告するケースもあるかもしれません。
このような場合は、当初の申告期限から5年以内に更正の請求をすることで、相続税の還付を受けられる場合があります。
土壌汚染がある土地の相続は専門家への相談がおすすめ
土壌汚染がある土地は、汚染の浄化や改善などの対策が必要で用途が制限されるため、相続税評価額を減額することができます。
具体的には、土壌汚染がない場合の評価額から浄化・改善費用の80%を差し引くほか、使用収益制限や心理的要因による収益の減少分も差し引きます。使用収益制限や心理的要因による収益の減少についてどのくらい計上するかという部分に関しては、様々なデータや過去の実例を参考にしなければならず、ご自身で評価することは難しいかと思いますので、相続税に詳しい税理士に相談することをお勧めします。