※画像はイメージです/PIXTA

家族が死亡したときに、残された相続人が続けて死亡するケースがあります。特に、相続手続きの途中で死亡した場合は2つの相続を同時に進めることになり、手続きが複雑になります。見ていきましょう。

死亡した人の代わりに提出する相続税申告書

死亡した人の代わりに提出する相続税申告書は、死亡した人が申告するものとして作成します。そのうえで、死亡した人と代わりに申告する人の両方の住所や氏名などを記入します。

 

必要な申告書の様式と記入方法は、代わりに申告する相続人が複数いる場合と1人の場合で異なります。

代わりに申告する相続人が複数いる場合

前出の【例1】のように死亡した人の代わりに申告する相続人が複数いる場合は、相続税申告書第1表の付表1に必要事項を記入して添付します。

 

相続税申告書 第1表の付表1 納税義務等の承継に係る明細書(兼相続人の代表者指定届出書)
相続税申告書 第1表の付表1
納税義務等の承継に係る明細書(兼相続人の代表者指定届出書)
出所:国税庁ホームページ

 

相続税申告書第1表の付表1には、次のような事項を記入します。

 

・申告前に死亡した人の住所・氏名・死亡年月日

・死亡した人が納付するはずだった相続税の額

・相続人(死亡した人の代わりに申告する人)の代表者の氏名

・相続人全員の住所・氏名・マイナンバーなど(押印も必要)

・各相続人が遺産を承継した割合

・各相続人が負担する相続税の額

 

相続税申告書第1表の「財産を取得した人」の欄には、申告前に死亡した人の氏名・住所を記入し、氏名の前には「被相続人」と記入します。

 

相続税申告書第1表記入例(代わりに申告する相続人が複数の場合) 出所:国税庁ホームページ
相続税申告書第1表記入例(代わりに申告する相続人が複数の場合)
出所:国税庁ホームページ

代わりに申告する相続人が1人の場合

前出の【例2】のように死亡した人の代わりに申告する相続人が1人の場合は、相続税申告書第1表に必要事項を記入します。第1表の付表1は必要ありません。

 

相続税申告書第1表の「財産を取得した人」の氏名・住所の欄は2段に分け、それぞれ次のように記入します。

 

各欄の上段:申告前に死亡した人の氏名・住所を記入します。氏名の前に「被相続人」と記入し、氏名の上部に死亡年月日を記入します。

 

各欄の下段:代わりに申告する人の氏名・住所を記入します。氏名の前に「相続人又は包括受遺者」と記入し、氏名の欄に押印します。

 

相続税申告書第1表記入例(代わりに申告する相続人が一人の場合) 出所:画像引用元:国税庁ホームページ
相続税申告書第1表記入例(代わりに申告する相続人が一人の場合)
出所:画像引用元:国税庁ホームページ
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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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