米国の労働市場は回復の兆し…アジア諸国はどうか
先週末発表された米国の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比53万1000人増と45万人増を見込んだ市場予想を上回り、失業率も9月の4.8%から4.6%に低下した。
労働市場に労働者が戻っていることが示された。人出不足も解消に向かうだろう。
アジアの状況はどうか。以下はJETROによるビジネス短信のヘッドラインである。
2021年11月10日
新型コロナワクチン接種証明書提示で水際措置緩和の動き、入国条件として義務化も(インド、インドネシア、韓国、シンガポール、タイ、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、以下省略)
2021年11月9日
マニラ首都圏は11月21日まで新型コロナウイルス対策「アラート・レベル2」に緩和(フィリピン)
2021年11月5日
新型コロナ活動制限延長も、首都はレベル1、入国時の隔離期間も緩和(インドネシア)
2021年11月5日
ベトナム、10月の生産活動に回復の兆し(ベトナム)
コロナ感染で厳しいロックダウンなどが強いられたアジア諸国もピークは越えたと見ていいだろう。これで供給制約も徐々に緩和に向かうと考えられる。
以上を考えればインフレ懸念は足元がピークだろう。米国債券市場で期待インフレ率を表すブレークイーブン(10年)は2.7%と約15年半ぶりの水準に上昇したが、名目の長期金利はそれほど上がっていない。結果として実質金利は7月末以来となるマイナス水準に低下した。