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成長期待が大きい「経済特区」
経済特区。英語では「Special Economic Zone(SEZ)」とされ、地域や国全体の経済発展の推進を目的に、法的に特別な地位を与えられている地域を指します。
国連のレポートでは、経済特区を整備する目的は、①外資系企業を誘致するため ② 雇用機会を創出するため ③より広範な改革への足がかりにするため ④新しい方針や経済発展施策の研究施設として作用させるため としています(出所:UN Industrial Development Organization “ECONOMIC ZONES IN THE ASEAN”)。
外資を誘致する経済特区のはじまりとされているのが、1965年、台湾の高雄市につくられた輸出加工区。国内の関税制度の枠外とした地域に外国資本を誘致することで雇用拡大と外貨収入の増大を狙ったもので、輸出加工区に輸入した原材料は加工・輸出することで関税は免除されるなど、優遇措置が与えられました。
また経済特区で有名なのが中国。外国の資本や技術の積極的な導入により経済発展を目指し、1980年8月に広東省・深圳、珠海、汕頭、福建省・厦門の4地区が選ばれ、さらに1988年4月には海南島が5番目の特区に、2017年には河北省が指定されています。特区における外資は、税制、土地利用などに優遇措置がとられました。6地域のなかでも深圳は「アジアのシリコンバレー」と呼ばれ、世界有数のIT産業都市へと発展を遂げています。
このように学校で習ったことを記憶している人も多いのではないでしょうか。実はこの経済特区、現在世界には4,000以上もあるといわれています。
日本にも「国家戦略特別区域」という経済特区があります。第2次安倍内閣による成長戦略の柱の一つとして、国家戦略特別区域法2条で「地域振興」と「国際競争力向上」を目的に規定されたもので、東京圏の「国際ビジネス・イノベーションの拠点」、関西圏の「医療等イノベーション拠点、チャレンジ人材支援」などが指定されています。
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