認知症はタイプ別に症状が異なり、経過も治療も予後も介護の仕方も違ってきます。2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれる時代。家族や身の回りの人が正しい診断を受けているか判断するためにも、認知症についての知識を深めておきましょう。今回は、医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長の梶川博氏、医学博士である森惟明氏が、コロナ禍、飲酒量が増加した人が知っておくべき「深酒と認知症」の関係について解説していきます。

頭部打撲後に、「認知症」の症状が見られたら…

頭部打撲後、1~2カ月後の間に急激に症状が悪化することが多く、症状として、頭痛、片麻痺(転びやすい)、記銘力低下(もの忘れ)などの認知症症状、失語、意欲低下、言語障害(言葉がうまくしゃべれない)、意識障害などが徐々に(あるいは急に)進行する場合に、この疾患を疑います。

 

特に頭部打撲の既往があるときは、この疾患を強く疑うことになります。脳梗塞や四大認知症などと症状が似ているため間違われることがありますが、CT、MRIなど画像診断を行うことで診断が確定します。

 

治療は比較的容易で、穿頭(頭蓋骨に10円玉から500円玉くらいの大きさの穴を開ける)をして、その穴に細いチューブを入れ血腫を排出させ、さらに血腫腔を洗浄・除去します。この施術により、多くの患者さんで認知症の症状、神経症状、精神症状が急速にまた著しく改善し、全く元通りになります。

 

血腫が比較的少量で、症状が軽い場合は、経過観察している過程で血腫が自然消退することも稀ではありません。

 

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梶川 博

医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長

 

広島県広島市出身。1957年修道高等学校卒業、1963年京都大学医学部卒。1964聖路加国際病院でインタ−ン修了、医師国家試験合格、アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格、1968年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。1970年広島大学第二外科・脳神経外科(助手)、1975年大阪医科大学第一外科・脳神経外科(講師、助教授)。1976年ニューヨーク モンテフィオーレ病院神経病理学部門(平野朝雄教授)留学。1980年梶川脳神経外科病院(現医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター)開設、現在会長。医学博士。

 

森 惟明

医学博士

 

大阪府立北野高校を経て、1961年京都大学医学部卒。大阪北野病院でインターン修了。1961年アメリカ合衆国臨床医学留学のためのECFMG試験合格。1967年京都大学大学院修了(脳神経外科学)医学博士。1968年日本脳神経外科学会認定医。1969年京都大学脳神経外科助手。1971年シカゴノースウエスタン大学脳神経外科レジデント。1975年京都大学脳神経外科講師。1979年京都大学脳神経外科助教授。1981年高知医科大学(現高知大学医学部)脳神経外科初代教授。1992〜1999年厚生省特定疾患難治性水頭症調査研究班班長。1992年第2回高知出版学術賞受賞。1996〜2000年高知県医師会理事。1999〜2001年国際小児神経外科学会倫理委員会委員長。2000〜2001年国際小児神経外科機関誌「Child’s Nervous System」編集委員。2000年高知大学名誉教授。著書多数。 

 

 

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    本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法~改訂版』より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

    脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法

    脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法

    梶川 博 森 惟明

    幻冬舎メディアコンサルティング

    高齢になるにつれて発症のリスクが高まる脳梗塞。 国民病ともされる脳梗塞の種類や予防法、治療法を知ることで、ならない工夫、なってからの対応を身に付けましょう。 「三大疾患に負けないシリーズ」第1弾!

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