酒が飲めないのに全出席していたという忘年会と新年会。ビビる大木氏は、何年も何年も参加しているうちに、「今までの忘年会の時間に、本を読んだり、映画を見ていたら、自分の血と肉がもっと増えたんじゃないか」と思うようになり、勇気ある決断を下したそうです。※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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無理して飲み会に参加しない勇気ある決断

ときには考えをやめて、すぐに行動に移さねばならない
すべて世の中の事は、三思してもなお足らず、十思百慮を要することもあれば、また再思の要だになく、ただちに実行せねばならない事もある。
【『渋沢栄一訓言集』処事と接物】

 

■悩みながらも全出席の忘年会、新年会だったが……

 

僕たちが現在、ツライのは、若い後輩たちに教えることが何もないことです。若い子がそれを求めていないということは、態度で明らかにわかります。

 

明治の時代はパワハラ、セクハラという言葉はありませんでした。当時はパワハラは当たり前で、渋沢さんの時代、省庁に入ったときにもやはりあったと思います。明治の時代でも、そんな人ばかりでは、さすがに苦しくなりますよね。

 

明治、大正、昭和、平成と、上司との嫌な酒も付き合ったという世代です。しかし、最近の子は付き合わないですもんね。「一緒に飲みたいと思いません。せめて、ご飯です」と言うでしょうね。

 

僕は、酒を飲みません。ですから、自分から「忘年会に行こう」「新年会行きましょう」と誘うことは昔からありません。僕が参加しているのは、すべて番組の忘年会、新年会です。

 

当然、最初の頃は飲みたくないのに無理やり飲まされて、気持ち悪くなり、具合が悪くなっていました。そんなことを繰り返して、酒を飲むこと自体をやめました。

 

ですから、「酒、飲めないんだな」と言われると、「はい」と答えて、「じゃあ、ウーロン茶だな」「はい」。それで、朝5時、6時、7時まで付き合ったものです。

 

最近、「酒が飲めないのに、すべての忘年会、新年会で酒飲みに合わせなきゃいけないのかな?」と疑問に感じ、どうすればいいかよくわからなくなってきました。

 

一度、「酒のないところで忘年会、新年会はダメなんですか?」と聞いたら、「それは忘年会じゃないでしょ」と言われました。「そうか、酒を飲まない人がいて、そのことを大切にしてもらえる忘年会、新年会はないんだな」と思いました。なんか、難しいです。

 

当然、僕以外にも酒を飲めない人が何人かいたので、「みんなどうしてるの?」と聞いてみると、普通に「お茶で朝までですね」という答えでした。

 

朝まで付き合わされると、最初の数時間は楽しいのですが、みんなどんどん酔っ払っていき、カラオケが始まります。こちらは酔っ払ってもいないし、特にカラオケも歌いたくないなというときに、正直とても困ります。時間が過ぎるのを、お茶を飲んで待っているだけの時間が出てくるのです。

 

何年も何年もそうしていると、「今までの忘年会の時間に、本を読んだり、映画を見ていたら、自分の血と肉がもっと増えたんじゃないかな」と思うようになりました。だから僕は、無理して飲み会に参加しないようにしました。勇気ある決断です。

 

■正論には正論の強みがある

 

僕は「なるほどな、現在は僕たちが知っている常識とは別の常識が、若者たちにはあり、それが働いている」とわかるので、自分の常識を強要してはいけないと思っています。それでも、「それは違うだろう」と「お笑い中間管理職」として感じることがあります。その場合には、「言わなきゃいかんな」とは思います。

 

明らかに「我慢と忍耐」がないのは、これから生きていくうえでよくないと思うので言います。言われた側は、「こんなときに説教されて超嫌だ、面倒くさい、聞きたくない」とか言うのではなく、その言葉に耳を傾けてほしいと思います。

 

やはり気づきが大切です。大切なこと、重要なことを先輩は話していると、気づいてほしい。言われた本人が、20代を終えて30代になって、40代になったときに、いい年の重ね方ができなくなってしまう可能性があると思うのです。若い人には、そのあたりを、いつ気づくかを意識してほしいです。

 

正論ばかりですが、正論は大切です。「きれいごとばかり言いやがって、古くせぇんだよ」と感じはしますが、実はよくよく読むとすごく心に沁みるわけです。特に年齢を経ると余計に沁みます。

 

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