ブロックチェーンの「危険性」と「対応方法」
ブロックチェーンの名を有名にした仮想通貨(現在は「暗号資産」)では、マウントゴックス事件、コインチェック事件などいくつか資産の流出が起こっています。
その原因としては、内部者の犯行または第三者によるハッキングです。
内部者の犯行はその会社の信用度やセキュリティ意識などに負うことになりますが、ネットワーク上の犯行のため、結局は足がついて逮捕されています。成功確率を考えると、今後はあまり起こりにくいのではないかと思われます。
データを書き込むためのパスワードである「秘密鍵」が盗まれ、コインがどこかへ送金されてしまうのがハッキングです。
これは、ネットワーク上やメール転送など、スキルがあればセキュリティを破ることができる「オンライン環境に秘密鍵を置くこと(ホット・ウォレット)」が原因となります。
そのため、例えばパスワードや指紋認証が付いたUSBに秘密鍵を書き込んで保管するなど、「インターネットに接続しない方法で保管(コールド・ウォレット)」すれば、システムのスキルがどんなに高くても盗むことができません。
ブロックチェーンの分類・種類
参加者全員でデータを管理することがポイントとなるブロックチェーンには、「参加者の範囲」の違いにより大きく分けて2つの分類があります。
1.パブリック型
インターネットに接続すれば誰でも参加できるタイプのブロックチェーンです。
管理者が存在せず、参加者が承認作業を行うことで取引の正当性が担保されます。その承認作業は「マイニング」と呼ばれ、高性能コンピュータで膨大な計算をすることで行われます。
なお、マイニングした人には報酬が払われます。パブリック型は、世界中から誰でもデータを見ることができるので透明性が高く、参加者がいる限り取引が止まらないことなどがメリットです。
デメリットとしては、マイニングで承認した取引データを参加者全員のノードに書き込む時間が必要なので、スピーディに大量の取引を行うサービスには向いていません。また、完全に公開されているのでプライバシーの保証もありません。
2.パーミッション型
これらは認められた参加者のみが利用できるブロックチェーンで、管理者が存在します。
パーミッション型は管理にかかわる組織の数の違いにより、2つの概念があります。
単一の企業や組織で管理するものをプライベート型、複数で管理するものをコンソーシアム型といいます。
プライベート型は外部にデータが公開されないことからプライバシーが確保され、また、マイニングもなく参加者のノードも限られているので迅速に大量の処理も可能、かつマイニング報酬も不要のためコストも安いのが特徴です。
管理者が不正を働く可能性はありますが、一つの企業が単独で管理するため犯行が露見しやすく、セキュリティも確保しやすいもので、管理者への信頼に立脚して成り立つシステムでもあります。
コンソーシアム型もプライベート型に近いメリットがありますが、管理者が複数存在するため、信頼できる企業や組織、人物のみで構成されるならば、セキュリティが高いネットワークになります。
三好 美佐子
Hash DasH株式会社
取締役
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