※画像はイメージです/PIXTA

世界には200近い国があるといわれていますが、そのなかで「投資に適した国、第1位」に選ばれたことのあるのが「フィリピン」です。世界の投資家は、「フィリピン」のどこに注目し、何を評価したのでしょうか。見ていきましょう。

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    世界が注目した「フィリピンの人口ボーナス終了年」

    米国の『U.S. News & World Report』誌が、2018年版の「投資するのに適した国々(Best Countries to Invest In)」という記事において、ナンバー1に選んだのは「フィリピン」でした。

     

    「投資対象として世界第1位はフィリピン」

     

    この事実にいまいちピンとこない人もいるでしょう。しかしフィリピンが要注目の国であることは、いまや世界の投資家の間では常識となっています。彼らが注目しているのは「人口」。そもそもフィリピンは、人口1億人を超える国。その規模は世界第13位です。

     

    【世界人口ランキング】

    1位「中華人民共和国」14億4420万人

    2位「インド」13億9340万人

    3位「アメリカ」3億3290万人

    4位「インドネシア」2億7640万人

    5位「パキスタン」2億2520万人

    6位「ブラジル」2億1400万人

    7位「ナイジェリア」2億1140万人

    8位「バングラデシュ」1億6630万人

    9位「ロシア」1億4590万人

    10位「メキシコ」1億3030万人

    *****************

    第13位「フィリピン」1億1100万人

     

    出所:国連人口基金(UNFPA)

     

    そして注目すべきは人口構造。学生のころに耳にした「人口ピラミッド」。少子高齢化が進んだ日本の場合、二度のベビーブームによる凹凸もあり、「釣鐘型」からつぼ型となり、現在は「ひょうたん型」と称される、なんとも奇怪なカタチをしています。

     

    それに対して、フィリピンの人口ピラミッドはキレイな「ピラミッド型」。これは若年層が多い国の特徴で、 日本の平均年齢が50歳近くになるのに対し、フィリピンの平均年齢は24歳。非常に若く、元気な国。それがフィリピンなわけです。

     

    さらに注目なのが「人口ボーナス期」。総人口に占める生産年齢(15歳以上 65歳未満)人口比率の上昇が続く、 もしくは絶対的に多い時期のことで、生産に携わる人口が増加することで経済成長につながるとされています。また、高齢者比率が低い時期のため、社会保障費も抑制され、また働く世代の拡大するため消費全般の増加が見込まれるとされています。

     

    この人口ボーナス期、日本では2005年に終了。EUでは2010年、米国では2014年に終了を迎えています。世界最大の人口を誇る中国では2034年、お隣の韓国では2025年が終了年と予測されています。ではフィリピンと同じ、東南アジアの国はどうでしょうか。

     

    【東南アジア各国の「人口ボーナス」終了年】

    ASEAN…2041年

    シンガポール…2028年

    タイ…2031年

    ベトナム…2041年

    インドネシア…2044年

    マレーシア…2050年

    ミャンマー…2053年

    フィリピン…2062年

     

    出所:国際連合

     

    フィリピンの人口ボーナス期は、ASEANの平均よりも20年以上も長いと推定され、東南アジアの主要国の中でもその期間はダントツに長い、それがフィリピンです。

     

    このことからいえるのは、労働生産人口の増加は、国の成長とイコールと考えるのならば、フィリピンの経済成長はどこの国よりも長く続くといえるわけです。これが「投資対象として世界第1位はフィリピン」といわれる理由のひとつです。

     

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