※画像はイメージです/PIXTA

土地や建物など不動産を所有している人には、毎年固定資産税が課税されます。亡くなった人が不動産を所有していた場合、まだ払っていない固定資産税があれば相続人が代わりに払う必要がありますが、この場合、相続税はどうなるのでしょうか。見ていきましょう。

 

誰が相続するかが決まるまでは相続人全員が連帯で納める

相続人どうしで話し合いをしても、誰が不動産を相続するかがすぐに決まらない場合があります。誰が相続するかが決まるまでは、その不動産は相続人全員の共有財産となります。この間に固定資産税の納期を迎えた場合は、相続人の全員が連帯して固定資産税を納めなければなりません。

 

なお、固定資産税は1月1日の時点で納税義務者が決定します。不動産を相続する人が決まらないまま年を越す場合は、引き続き相続人の全員が連帯して固定資産税を納めることになります。このときは、各市区町村に「相続人代表者指定届」を提出し、代表者に宛てて固定資産税の納税通知書を送ってもらう手続きをします。

準確定申告でも必要経費に算入できる

被相続人が不動産を賃貸していたなど、固定資産税を必要経費に算入して確定申告していた場合は、亡くなった年の所得について準確定申告が必要です。

 

準確定申告では、死亡日までに税額が通知されている場合に、次のいずれかの方法で固定資産税を必要経費に算入することができます。

 

・納付済みのものと未納付のものを合わせた全額を必要経費に算入
・納期限が到来したものだけを必要経費に算入
・実際に納付したものだけを必要経費に算入

 

納期限が到来したものや実際に納付したものを必要経費に算入した場合は、残りの部分は不動産を相続した人の確定申告で必要経費に算入します。

 

一方、死亡日までに税額が通知されていない場合は、準確定申告で必要経費に算入することはできません。不動産を相続した人の確定申告で必要経費に算入します。

 

[図2]固定資産税が経費計上できるかどうかの例
[図2]固定資産税が経費計上できるかどうかの例

債務控除できるものは意外と多い!税理士に丸投げするのも手

死亡時点で未納付になっている固定資産税は、相続税の計算で債務控除ができます。前年の第4期の固定資産税が未納付の場合は、当年の固定資産税とあわせて債務控除ができます。一方、被相続人の準確定申告では、死亡日までに税額が通知されている場合に限って必要経費に算入できます。

 

このほか、死亡時点で未納だった公共料金など、債務控除できる項目は多岐にわたりますが、どの期間までのものを控除できるかはそれぞれきちんと決まっているので、間違えないよう注意が必要です。

 

税理士法人チェスター

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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