(※写真はイメージです/PIXTA)

近年話題になっている所有者不明土地の問題ですが、これは個人資産の管理における「あいまいな状況」を許す社会システムが原因となっていました。このような事態を収拾する方法のひとつとして、ブロックチェーン技術の活用が期待を集めています。これにより、不動産の所有者や瑕疵情報を正確に引き継ぎ、収益不動産の契約不適合責任リスク等の抑制にも役立つと考えられるのです。

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「登記情報の電子化」は、売主・買主双方のメリットに

 

日本における不動産登記は、所有者による任意登録制です。そのため、所有者が亡くなったあとに相続人が所有者移転登記を行わないといった状況が続くと、土地の権利関係の把握が困難になってしまいます。

 

そこで提案したいのが「登記情報の電子(オンライン)化」です。電子化といっても、すでに行われている紙ベースからコンピュータへの情報移行程度のことではありません。不動産の売主・買主にとって登記が身近で便利になる、抜本的な改革案について紹介したいと思います。

日本の個人資産の管理体制、実際はかなり適当で…

 

几帳面なイメージを持たれがちな日本人ですが、各種の社会的な手続きにもそんな気質が反映されているのかと思いきや、実際はそうでもないようです。調べてみると、日本の個人資産の管理体制は意外とずさんで、とくに不動産の所有権は顕著です。

 

日本の「所有者不明土地」は、九州の面積より広い!

全国における所有者不明の土地は、九州地方の面積(約367万ha)よりさらに広い約410万haもあり、これが近年取り沙汰されている空き地・空き家問題の要因となっています。

 

所有者不明土地が増えたのは、不動産登記が義務ではないことが理由です。

 

マイホームや投資用不動産を購入する際は、売買取引を仕切る不動産会社が、司法書士に土地・建物の所有権登記を依頼し、引渡しの数日後には不動産所有の権利を証明する「登記識別情報」が買主に届く、というのが一般的な不動産登記の流れです。

 

このように、購入・売却の際は不動産会社が売主・買主に代わって手配をしてくれるので、当事者が移転登記をし忘れることはありません。買主にとっては高額を支払って手に入れた不動産ですから、自分の所有権を誇示するための登記を行わないという選択肢はないはずです。

 

「負動産化」が著しい、農地・山林

ではなぜ、不動産を取得した当事者が登記を行わないケースが生まれるのでしょうか?

 

それは、親や兄弟姉妹など親族からの「相続」が発生した場合です。たとえば、地方の実家に住む親が亡くなり、その子である当事者が実家の土地建物や農地・山林等を相続するとします。実家は生まれ育った場所であり、場合によっては賃貸経営可能ですから、快く相続し、所有権移転登記も行います。

 

しかし、農地・山林はどうでしょう。相続すれば土地の管理責任を負わされ、地域によっては固定資産税が徴収される場合もあります。まさに「負動産」ともいえる農地・山林は、都会に住む相続人にとって厄介なお荷物でしかありません。

 

また、相続人が亡き両親が所有していた農地・山林の存在を知らない場合もあります。そういったケースでは所有権移転登記が行われず放置され、やはり所有者不明土地となってしまうのです。

 

これらの問題を解消するため、土地・建物の相続登記は、2024年以降「義務化」されることになりました。それに伴い、「相続登記をしたいが、やり方がわからない」「司法書士に依頼すると手数料がかかる」と二の足を踏む相続人も増えると予想されます。そのため、登記情報のオンライン化が急務となります。

 

 

次ページブロックチェーン活用で「不動産登記」の効率化を

※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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