前回は、フィリピンの不動産仲介業者が具体的にどのような仕事をしているのかを説明しました。今回は、仲介業者の種類と注意点について見ていきます。

「日本人だから」といって無条件に信用するのはNG

日本の物件選びと違うところは、デベロッパー選びとは別に、仲介業者の信用性を見極める必要があることです。

 

 

実際のところ、日本人向けに販売されている物件は大手デベロッパーが手掛けているものが多数です。先述のデベロッパーで選んでいれば、建物についてはさほど問題ありません。それよりも「誰を通して購入するか」のほうが、後々に響いてくる部分です。

 

<日本人仲介業者>

 

日本人仲介業者であれば、言葉も通じますし、何より信用度が違います。しかし、日本人だからと無条件で信頼するのは禁物です。仲介業者といっても、現地に事務所もない会社も少なくありません。

 

また、どの不動産仲介会社にも強みがあると思います。顧客側がしっかりその会社の強みを理解する必要があり、各方面から調査し、ご自身にあった仲介業者を決めることをお勧めします。

ライセンスがない「現地人ブローカー」に要注意

<ローカル仲介業者>

 

ローカルの不動産会社にも大きく分けて2つほどライセンスがあります。日本的にライセンス所有者は販売ライセンス、仲介ライセンスがありますが、気を付けなくてはならないのは、ライセンスがないフィリピン人がブローカーとして仲介をしている場合もあります。

 

多くの場合は出稼ぎ労働に出ている知人の物件を依頼されている、家族が海外に暮らしているため、近親者が管理している。そういった方たちが不動産ブローカーになって報酬を得るのです。信用がある相手でならよいですが、そうでない場合はライセンス番号を手続き前、予約金支払い前に必ず確認するべきでしょう。

 

その他「物件が売れればそれで良い」というフィリピン人特有の気質に振り回されることがあります。たとえばデベロッパー所属インハウスブローカーが「もう十分コミッションを得たので辞めます」と言ったら、その後の物件手続きはどうするのか、という話になります。

 

近年でもそういう事例は頻繁にありましたが、今では中途退社するブローカーに対してコミッションが全額入らなくなったデベロッパーもあります。仮にブローカーが辞めたとしてもきちんとサポート体制を整える、もしくは辞めにくい状況になっています。

 

優秀な人材はより高給なオファーが来ますので、退職しやすく離職率が高いです。ブローカーとして会社に所属していても、本質は個人ブローカーと変わりません。日本人を介さずに不動産投資をやっている人は、かなり大変な思いをしています。

 

<デベロッパーによる販売>

 

デベロッパーが直接投資家に販売するケースも増えています。この場合のメリットは銀行を併せもつ財閥系のデベロッパーでは、その系列の銀行に限りますが、融資を引きやすいということがあります。

 

 

また、日本の感覚では大手デベロッパーであれば管理まできちんと行っているイメージがありますが、フィリピンの場合は、売買仲介はあくまで売買仲介であり、管理運営については別というのが普通です。デベロッパーだからといって過信は禁物です。

 

次回からは、実際に購入するまでの手続きと、フィリピン投資に使える融資について解説します。

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

鈴木 廣政・渡辺 頼子

幻冬舎メディアコンサルティング

止まらない人口減少、オリンピック相場の反落、不動産市場の縮小――国内不動産暴落のXデーは、刻一刻と近付いています。 これを裏付けるように、事実、家賃下落や空室率上昇などの問題は年々深刻化しているのです。 そん…

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