「社員がすぐに辞める、育たない」独裁者タイプの社長の共通点 (※画像はイメージです/PIXTA)

社員が定着しない社長には共通点がある。周りにイエスマンばかり置いて確固たる独裁経営を実現し、 社外活動ばかりに精を出し肩書きはご立派、会社の現場を把握していないのに口だけは達者、業績低迷中でもお抱え運転手がいるなど金遣いが荒いという。社長が変わらない限り、早かれ遅かれ倒産は避けられないというが……。

社長が変わらない限り、倒産の道をたどる

私は実際に役員会議の様子を見たことがあるのですが、会議のほぼ9割は、社長が発言し続け、取り巻きのイエスマンはしきりにうなずいているだけでした。まったく会議の体をなしていません。社長のご機嫌取り合戦です。

 

さらにこの社長、 会社のことにいちいち口を出すわりに、 普段は外へ出ていることが多く、名刺には「○○理事」「○○協会会長」などご立派そうな肩書きがずらりと並んでいます。これらの会合に忙しくて、ほとんど会社に顔を出さず、現場のことには無頓着です。

 

社員たちに「全然会社にいないくせに、口だけはうるさい社長」と陰口を叩かれるのも無理はありません。

 

おまけに、売上は落ちていく一方というのに、お抱えの運転者がいるのですから、呆れたものです。支出を減らすならそういった削れるところから着手すべきなのに、社員のボーナスカットをまず決め込むのですから、社員の心は離れていくばかりでした。

 

藤間秋男・TOMAコンサルタンツグループ株式会社代表取締役会長
藤間秋男・TOMAコンサルタンツグループ株式会社代表取締役会長

 

私はこのワンマン社長にしきりに訴えてきました。「社長、独裁をやめて、もっと社員さんにとって働きやすい経営にシフトしてください」と。しかし社長は「絶対無理。私は、私がやりたいと思ったことを、社員にやってほしい」と譲りません。

 

「しかし、このままだと会社は潰れますよ」と忠告しても、「そんなことはない」の一点張り。そして決まって、過去の社長の成功話をひけらかすのです。それは社長にとってのたった一度の成功であり、私は耳にタコができるほど聞かされた話でした。背景にある100を優に超える失敗は都合よく忘れ去り、 1の成功体験に縛られ続け、「俺に従わないやつは辞めてよし」というような独裁経営を続けているのです。

 

私の助言は一切合切突っぱね返されてしまいます。もう社長は高齢で、後継者は当然育っていません。いずれ社長が引退したら、自分で判断して動くことのできないイエスマン経営陣だけではどうにもなりません。 遅かれ早かれ、 倒産の道をたどることは目に見えています。

 

■独裁を改めない限り長寿企業の仲間入りはできない

 

これまでの経験から、独裁者タイプ社長の共通点が見えてきました。

 

周りにイエスマンばかり置いて確固たる独裁経営を実現し、 社外活動ばかりに精を出し肩書きはご立派、会社の現場を把握していないのに口だけは達者、業績低迷中でもお抱え運転手がいるなど金遣いが荒く、過去の数少ない成功話ばかり大げさに披露します。

 

あなた自身が、あるいは、御社のトップが、以上のような点を一つでも満たしているのなら、独裁者タイプである可能性が高いです。その下で働いている社員は日々不満を募らせているはずです。

 

たとえ今は業績が良好だったとしても、 それは単に時代や市場が味方しているだけであり、長く続けていくだけの土台は構築できていません。会社の内側にある綻びを無視していたら、つまり社長の独裁を改善していなかったら、人離れは加速する一方で、短命企業の仲間入りを果たすことになります。

 

 

藤間 秋男
TOMAコンサルタンツグループ株式会社
代表取締役会長

 

 

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TOMAコンサルタンツグループ株式会社代表取締役会長
TOMA100年企業創りコンサルタンツ株式会社代表取締役社長
今日から100年企業創りコンサルタント。公認会計士。税理士。中小企業診断士。行政書士。

1952年東京生まれ。 慶應義塾大学卒業後、大手監査法人勤務を経て、1982年藤間公認会計士税理士事務所を開設。2012年より分社化して、TOMA税理士法人などを母体とする200名のコンサルティングファームを構築。
100年企業創りと事業承継をライフワークとし、関連セミナーを1500回以上開催。老舗企業を集めたイベント「100年企業サミット」を主催するほか、雑誌やテレビ等で老舗企業取材も多数経験。
著書に『中小企業のための成功する事業承継 心得88』『どんな危機にも打ち勝つ100年企業の法則』(ともにPHP研究所)、『永続企業の創り方10ヶ条』(平成出版)、『2時間でざっくりつかむ! 中小企業の「事業承継」はじめに読む本』(すばる舎)などがある。東京都倫理法人会幹事長、元日本青年会議所議長・委員長、ニュービジネス協議会会員、東京中小企業家同友会会員、元盛和塾会員、日創研経営研究会会員。

著者紹介

連載「社長引退勧告」世代交代をしない社長は会社を潰す

※本連載は藤間秋男氏の著書『社長引退勧告 1年以内に次期後継者を決めなさい』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、再編集したものです。

社長引退勧告 1年以内に次期後継者を決めなさい

社長引退勧告 1年以内に次期後継者を決めなさい

藤間 秋男

幻冬舎メディアコンサルティング

「社長の年齢が60代の中小企業のうち、約半数は後継者が決まっていない」――中小企業庁が発行している「中小企業白書(2020年版)」のデータです。 事業を引き継ぐ人がいないということは、たとえ経営が安定していても、廃業も…

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