政策金利は4.75%に
■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は9月30日に金融政策決定会合を開催し、政策金利を4.5%から4.75%に引き上げました。
■今回の政策金利の引き上げは、前回8月、前々回6月の会合に続く3会合連続での利上げとなり、中銀のインフレに対する警戒感の強さが伺われます。
景気は再加速、インフレは高止まりへ
■夏場に足踏み状態となったメキシコの景気回復は、新型コロナウイルスのデルタ型の感染拡大が足元で急速に収束しつつあることに加え、米国景気の拡大継続、国内の雇用の改善、そして出稼ぎ労働者による本国送金の増加などから、今後は再び加速してきそうです。
■またインフレについては、食品やエネルギー価格にとどまらず、サービスを含む広範な分野に価格上昇の動きが広がってきていることから、当面高止まりが続きそうです。
■景気の再加速とインフレの高止まりから、今後も中銀は金融引き締めを継続するものと思われます。
メキシコペソは堅調推移も、米国の金融政策と中国恒大の債務問題には注意
■景気の再加速や金融引き締めの継続による短期金利の上昇から、メキシコペソは堅調な推移となりそうです。また原油価格の上昇も、資源国通貨であるメキシコペソにとって追い風となりそうです。
■ただし、大規模緩和の終了が目前に迫る米国の金融政策と、中国恒大集団の債務問題には注意が必要です。市場参加者にとって想定外のスピードで金融引き締めが進んだり、中国の債務問題が金融システム全体に影響するような場合には、海外への資本流出の動きが強まりメキシコペソも調整する可能性があります。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『メキシコ中銀が政策金利を引き上げ』を参照)。
(2021年10月1日)
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