「命を育む大変さを、男性にも知ってほしい」と語る山下真理子氏

いつまで続くのか分からず、「出口の見えないトンネルのなかにいるよう」とも言われる不妊治療。女医の山下真理子氏も、そんな不妊治療で子供を授かったひとりだという。どのような問題に直面し、どう向き合ってきたのか、医師の立場から語ってもらう本連載。第7回目は、不妊治療の末に子ども授かり、妊婦として過ごす中での身体の変化について解説してもらった。

想像していたのと全然違った

2021年2月24日15時50分。

 

その瞬間に、どんな言葉でも説明し難い、今まで生きてきた価値観や優先順位が全部変わる瞬間を味わった。

 

想像していたのと、全然違った。

 

自分のやりたいこと、ほしいもの、全部我慢してでもいい、この子がいつか自立して、親元から旅立つその日まで、全力でこの子のために自分ができること全てをしてあげよう。3480g。「大きめな男の子ですよ」と言われて渡された息子は、けれども、めちゃくちゃ小さくて、ふにゃふにゃで、でも、精一杯泣いていた。

 

インスタで見るようなおしゃれで最先端ファッションに身を包んだママ、おしゃれなインポートの子供服やベビーグッズ、理想の子育て……。

 

そんなことは全部どうでも良くて、ただ、この子が幸せならそれでいい。

 

ちょうどこのコラムの原稿を書いた日、息子は7ヶ月を迎えた。

 

もう7ヶ月も経った。まだ7ヶ月しか経っていない。

 

3キロ強で生まれた息子は、8キロを超えた。49センチだった身長は70センチになった。

 

まだまだ小さい命だけれど、ママを見つけたら、満面の笑顔をむけてくれる。

命を育む大変さを知ってもらいたい

今朝のニュースで、子供を虐待死させた親のことが取り上げられていた。こんなにかけがえのない命を、妊娠出産で辛かったこと、大変だったことを誰にも言えずに悩んでいる女性はきっとたくさんいる。幸いなことに私は妊娠管理入院することはなかったが、中には、何ヶ月もの間、入院しなければならない人もいる。

 

命を育む大変さを、是非男性の方にも知ってほしいし、命のかけがえの無さを、忙しくて忘れがちな毎日の中で、思い出すきっかけに自分がなれたらと思う。
 

 

 

山下 真理子

 

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