在宅介護で父親のオムツ替え…息子が一大覚悟でやった結果は

相沢 光一
在宅介護で父親のオムツ替え…息子が一大覚悟でやった結果は
(※画像はイメージです/PIXTA)

※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

「排泄処理は無理」でヘルパーに丸投げも

でも、父のほうも恥ずかしさや屈辱感で極度のつらさを味わっているに違いない。そんな気持ちを考えると、嫌そうな顔は絶対できません。あえて「なんてことはない」という表情をつくり、淡々と処置することに努めました。

 

そのときはいろいろなことを考えました。父が病院で手術を受けたあと、看護師さんに排泄の処置をしてもらっている状況に遭遇した経験があったため、そのときの態度を真似ようか…などと。とにかく父を傷つけないようにと必死で、終わったあとはドッと疲れが出ました。

 

ただ不思議なもので、3回ぐらい処置を経験したあとは「もっと手際よく処置するにはどうしたらいいだろう」と別のほうに意識がいき、それにつれて抵抗感は薄れていきました。

 

もっとも、親しいケアマネに聞くと、この反応は標準的ではないとのこと。「排泄の処置なんか絶対に無理」といってヘルパーにすべてを任せる人も少なくないし、いつまでたっても慣れないと嘆きながらしている人もいるそうです。

 

介護が始まった当初は、このほかにもやらなければならないことが次つぎと発生し、介護者はそれに追われることになります。たとえば、これまでの生活ではまったく縁がなかった物を買いに走ること。紙パンツやオムツ、おしりふき、消毒用ティッシュ、食欲がないときに必要な栄養素が摂れるドリンク、誤嚥を防ぐ「とろみ剤」などです。

 

また、介護される人が寝たきりの場合は、介護者を呼ぶ機器も必要になります。わが家では最初、携帯電話を利用していましたが、認知症が出てからは操作ができなくなり、ワイヤレスのチャイムを購入し、使うようになりました。このようにそのつど、必要なものが出てくるのです。

 

相沢 光一
フリーライター

 

 

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

有能な人が担当になればラッキー。ところが、そうでない人だと…。介護サービスを受ける際の中心的な存在であるケアマネージャー。その良し悪しはどこで判断できるのか、「もっといい人を」と思ったら、どう対処すべきか。著者…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧