「安全地域」としてのドイツの地位はさらに高まる!?
① ドイツの住居用不動産市場にBrexitが及ぼす影響とは?
ドイツ国内の住居用不動産の需要が上昇する可能性は、非常に高いことが予測されています。「安全地域」としてのドイツの評判は、英国の脱EU投票の結果、さらに強くなってゆくでしょう。ヨーロッパで最も優秀かつ最大規模の経済力を誇るドイツは今後、国際不動産投資家にとって、特に主要都市について、これまで以上に魅力的な対象となるでしょう。
② Brexit投票に対する国際不動産投資家の反応は?
国際不動産投資家達はこれまで、長年に渡り、英国を投資先としてきました。脱EU決定は、特にアメリカ合衆国、アジア諸国、そして中東諸国の投資家達に警報を鳴らしたことは想像に難くありません。世界最大手の信用格付け機関Standard & Poor’sが発表したところでは、英国の信用格付けは既に下がってきており、これは不安感の増長を招きます。特に「中価格帯」物件を対象とする国際投資家たちは、今後ドイツ国内での投資額を増やしてくることが予測されています。主に、価格帯にして20万ユーロ~70万ユーロの住居用不動産物件の需要は、確実に上昇することが見込まれます。
③ 英国の不動産は今後、より手が届きやすい価格に下がる?
短期的に見ると、英国の不動産物件は今後、国際投資家にとって入手しやすくなることが確実視されています。その一方、注意も促されています。それは、英国の不動産産業はこの数ヶ月間、すでに縮小傾向にあるということです。諸銀行の報告によると、2016年4月の新たな住宅ローンビジネスは、過去11ヶ月間を通じて最も低迷しています。今後も、この傾向が続くと見られています。
ロンドンからの労働力流出による影響も見逃せない
④ 今後ロンドンから欧州大陸へ流れる労働市場の予想は? それによるオフィス・住居用不動産の需要は増加する?
近い将来、ロンドンからヨーロッパ大陸へ移動する職の数は一万以上と予測されています。フランクフルト、ミュンヘン、そしてベルリンといったドイツの主要都市は、この動きによる利益を享受する好ポジションにつけています。労働力の移動に伴い、オフィス用不動産市場にとどまらず、住居用不動産市場も、その需要が上昇してゆくでしょう。
⑤ 投資家にとっての利益はあるのか?
英国民がEU脱退を決めたことは、大勢の人達にとって遺憾なことである、というのは事実です。国民投票の結果を尊重する一方、それが経済に及ぼす副次的影響は何か。それを正確に評価することが、現段階での焦点となります。
Brexit投票は、上に述べた通り、ドイツ国内の不動産需要を押し上げると見られています。ドイツの不動産仲介業者、不動産コンサルティング関係者によると、海外投資家達からの問い合わせ数は既に、急激な上昇を見せています。それら投資家達は、今回のBrexitが、彼らの投資にまつわる判断を強力に後押ししている、と口を揃えます。
今後数ヶ月間は、上記に述べた傾向が勢いを増してゆくことが、確実視されています。